行動食とは何か?登山初心者におすすめの食べ物と考え方

登山中の行動食の考え方 登山ノウハウ
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行動食は、山行を快適かつ安全に行うために欠かせないアイテム。登山の程度、行く人数、形態を問わず、必ず持参することをおすすめします。

とはいえ、最初はそこまで固く考える必要はなく、「登山の途中で食べるおやつ」ぐらいに考えておけば大丈夫です。今回は初心者向けに、行動食を選ぶポイントについて解説していきます。

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なぜ行動食が必要なのか?普段の食事との違いは?

食事
出典:freepik

登山は普通のスポーツに比べ、運動時間が長時間になります。また、継続的に負荷がかかるため、何も食べないままの状態が続くとエネルギー不足で動けなくなってしまうことも。この「シャリバテ」と呼ばれるスタミナ切れを防ぐ目的で、定期的にカロリーを補充するのが登山における行動食です。

登山における食事の考え方は?

登山での食事はカロリー補充以外にも、休憩や仲間との団欒などの意味があります。特に初心者の場合、ただ黙々と山頂を目指すのではなく、途中の景色を楽しんだり、同行者との会話も楽しみたいものです。また、山小屋や売店がある登山ルートでは、その土地の名産品を食べる事も楽しみのひとつ。食事の時には重いリュックを置いて、靴紐をゆるめたりして、身も心もリラックスさせることで登山にメリハリをつけます。

食事と行動食の違いは?

対して、行動食はその名の通り「登山の途中に食べるもの」です。先述の通り、朝・昼・夜の食事では補いきれないカロリーを行動中に摂取するため、立ちながら/歩きながら摂取します。休憩のたびに荷物を広げていたら時間ばかりかかってしまい、行動に支障が出てしまいます。休憩をしすぎて、日没やバスに間に合わない…となると、本末転倒です。そのため、栄養価が高く、さらに一口ずつ食べられる手軽なものが行動食として選ばれて
います。

行動食を選ぶときのポイント

行動食を選ぶ際には携行しやすいことも大事

行動食を選ぶ際のポイントは

  • 携行性
  • 保存性
  • 栄養価
  • 嗜好(味の好み)

などが挙げられます。今回は、初心者の夏山低山を想定して、行動食のポイントを解説していきます。

携行性/保存性について

行動食の前提条件は「思いついたらその場で口に運べるもの」です。そのため、ポケットに入る程度のサイズのものや、ザックのすぐ取り出せる場所(トップポケット/サイドポケット)に収納できるものが良いでしょう。

加えて、パッケージの開封が楽にでき、ゴミが出ないものが理想的です。この時に、気温の影響を受けにくいものを選ぶのもポイント。一般的に飴やチョコレートは行動食に適していると思われがちですが、うっかりしていると溶けていて食べられない…というケースもあります。この場合、保管場所に工夫をするか、溶けにくいように表面をコーティングしている商品を選ぶ必要があります。

栄養価/嗜好性について

登山は予想以上にカロリーを消費します。そのため、高カロリーかつ高栄養価の食材が重宝されます。高カロリーというと、真っ先に「糖質」が思い浮かびますが、この糖質を上手く代謝させてエネルギーに変えるにはビタミンやミネラルも不可欠。行動食に足りない栄養素は飲み物(スポーツドリンク等)で補うのもテクニックの一つです。

とはいっても、行動食も食事であることには変わらないので、本人の好みに合わなければ、せっかくの楽しい登山も台無しです。自分の好きな味とのバランスも取りながら、行動食を選ぶ事も忘れないでください。

コンビニでも買えるおすすめ行動食

ラムネはコンビニでも買える行動食

いざ、登山!となると、アレもコレもと迷ってしまい、普段買わないような高級ナッツやゼリードリンクなどを揃えてしまうという話もよく耳にします。しかし食べ慣れていないため、結局食べずに下山してしまい、荷物にしかならなかった…となると、行動食の意味がありません(とはいえ、誰でも一度は失敗する道です)。身近な食材も見渡すと、行動食として使えるものもたくさんあり、コンビニで買えるものもあります。「あ、買い忘れた!」という時にも現地調達ができるので、まずは以下の商品をチェックしてみてください。

羊羹/ラムネ菓子

糖質のかたまりといえる、最高の行動食です。羊羹は元々保存食のため、多少は雑な携行をしても問題なく食べることができます。さらに原料のあずきは糖質を代謝させるビタミンB群も含まれているので「食べて即運動する」ことが目的の行動食には最適だと言えます。

ラムネ菓子も、ポケットに入れておけば、ひと粒ずつ手軽に食べられる点が大きなメリット。また、同伴者に子供がいる場合などは特におすすめしたい行動食です。

サラミ/カルパス

甘いものは苦手という人におすすめの行動食です。即エネルギーになる糖質は含まれていないものの、高カロリーの代名詞「脂質」が多く含まれています。また、大量に汗をかいて消費した塩分を補給したり、疲労回復効果が高いタンパク質が補給できるなど、メリットがたくさんあります。但し、食べ過ぎると喉が乾いてしまい、水分も大量に欲しくなってしまうので、その点は注意が必要です。

カロリーメイト

少々味気ない気もしますが、効率性を考える人には間違いない定番の行動食です。高栄養価・携行性・ゴミの問題などクリアしているのでメリットが多く、人気が高いことも頷けます。特にカロリーメイトは開発の段階から栄養価のバランスを考慮されているため、ベテラン登山家の中でも人気があります。プライベートブランドの類似商品や栄養機能食品もあるので、味の好みや目的にあわせて選ぶと良いでしょう。

中には、自作でカロリーメイト的なものを作り行動食にしている人も。スコーンのレシピをベースに作ると比較的簡単な上、手作りおやつを登山中に食べられる楽しみができるので、興味がある人はチャレンジしてみてください。

マンガでも紹介されている様々な行動食

登山のマンガ本でも行動食が紹介されている

行動食は、登山を楽しむ人だけでなく、そもそもは山で仕事をする人を中心に昔から親しまれてきました。

東北のマタギは伝統的に「カネ餅」という米粉で作る行動食があり「ゴールデンカムイ」という漫画の作中で紹介され注目されていました。また、登山をテーマにした「孤高の人」では、主人公が「干し小魚と甘納豆を混ぜたもの」を食べる描写がされています。こちらも「山と食欲と私」という漫画で紹介され、再注目された行動食です。

どちらにしても、その目的は山行中にシャリバテを起こさず、快適かつ安全に登山を楽しむためのもの。「どんなものかな?」と気になる人は、ぜひ作品を読んでみるのをおすすめします。

まずは堅苦しく考えず、紹介したポイントを押さえながら自分の好みに合わせた行動食を選んで、どんどん山で試してみてください。

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山歩みち編集部
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