今年こそ雪山登山を始めたい!夏山との違いと必要な装備は?

登山ノウハウ
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「春~秋は結構登ったけど、雪山も登りたい」「雪山に行きたいけど装備が分からない」という方必見!ハードルが高そうなイメージですが、みんな最初は同じです。装備をしっかり準備して登る山を選べばそんなことはありません。本記事では、いよいよ雪山も始めたいという方向けに、夏山との違いや必要な装備を詳しく解説します!

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夏山と雪山の大きな違い

当然ですが雪山は気温も低く、装備も増え、無雪期の登山にはないリスクがあります。それらを含めて 「春~秋」と「冬」の登山の違いは大きく分けると3つあります。常にこの3つは頭に置いて計画を立てる必要があります。

1)天候の違い

冬は春~秋よりも気温がぐっと下がります。雪山は天候も安定せず、風が強く吹いている日が多いことが特徴です。風が強ければ体感温度も下がりますので、実際の気温よりもさらに寒いという想定が必須です。また、ホワイトアウトと言って雪やガスで視界が一面真っ白になり、方向がわからなくなるという状況も起こり得ます。

2)行動時間の違い

冬は日照時間が短くなるため、おのずと行動時間も短くなります。また、雪の中を歩く場合はいつもよりも歩行スピードが遅くなります。帰りのバスに間に合わないから少し早歩き!なんてことも難しくなるので注意が必要です。冬期はバスが運行していなかったり、山小屋も営業していないことも多いので、施設や交通機関については必ず事前に確認が必要です。

3)装備の違い

雪山は気温が低いため、防寒アイテムが必須です。 しかし、晴れている日の急な登りは上着を脱ぐほど汗をかく日もあります!うまくレイヤリングして、汗冷えを防ぐことも重要です。また、雪山用の靴やアイゼンなど、雪山専用の装備が必要となります。これまでは手持ちのアイテムでなんとかしのいでいた人も、雪山はそうはいきません。

雪山登山の必須装備

雪山といえども登る山を選べばハードルは高くない、と最初に言いましたが、それはあくまでも装備を万全にした上での話です。装備を間違うと取り返しのつかない事態になることもありますので、迷う場合はアウトドアショップのスタッフさんに聞いてみるのも一つの手段です。

1)雪山対応の登山靴

雪山に対応した登山靴と、春~秋用登山靴の異なる点は「保温剤が入っていて、ソールが硬い」ところです。雪道を歩くので保温性が必要になり、10~12本爪のアイゼンを装着するにはソールの硬さが必要になります。それを知らずにいつもの靴にアイゼンだけ買えばいいと思っている方もいますので、くれぐれも注意してください。また登山靴とアイゼンの相性もあります。相性が合わないとアイゼンがズレる、もしくは途中で外れてしまうなどの危険性があります。

出典:モンベル

2)10~12本爪アイゼン

アイゼンは、雪道で滑らないようにするために、登山靴に装着する必須アイテムです。深い雪もそうですが、登山道の凍結も危険で、アイゼンを装着しないと滑って登れないこともあります。前述しましたがアイゼンは冬山用登山靴との相性があります。私も購入時は冬用登山靴とアイゼンはショップで装着してみて、セットで購入しました。ただし、積雪量が5~10cm程度しかなく気温も高ければ、6本爪の軽アイゼンやチェーンスパイクの方が登りやすい場合もあり、登山道は最初から最後まで同じ状態とは限らないので、どれを持って行くかは毎回悩みどころではあります。登山前に最新の登山道の状況を必ずチェックが必要です。

3)ピッケルもしくはトレッキングポール

ピッケルはトレッキングポールと使う用途は同じで、雪面に刺して歩行の補助として使う道具です。また、登山中に滑って転倒したときに、滑落せず止めるための道具でもあります。本格的に冬期登山を始めたいという方は必携です。ただアイゼンと同じく雪山だからと言って必ずピッケルが必要なわけではなく、積雪量が少なければトレッキングポールの方が登りやすいです。あくまで深雪や傾斜がある場合はピッケル、比較的平坦なハイキングや積雪が少ない場合はポールを使うなど、使い分けると便利です。私は迷った場合はどちらも持参しています!

4)アウターシェル、シェルパンツ

雪山は気温が低く、風がある日も少なくないため、上下とも防水性・防風性に優れる厚手のアウターが必要です。春先の雪山などは夏用のレインウェアで代用する人もいますが、本格的な雪山では十分な防風性・耐久性が得られないことがあります。 またシェルパンツは靴に装着したアイゼンでパンツの生地が破れないように「アイゼンガード」が付いているものを選ぶと便利です。

5)雪山用ゲイター

雪が降っていない時はシェルパンツでは歩きにくいため、厚手のトレッキングパンツに雪除けのゲイターでも問題ありません。こちらも夏用のゲイター(レインスパッツ)より厚手で丈も長く、アイゼンガードが付いているものを選びます。素材は防水素材の「ゴアテックス」がおすすめではありますが、私はシートゥサミットの独自の防水素材のゲイターでも困ったことはありません。

6)防寒シェルグローブ

夏用のトレッキンググローブでは保温性と防風性がないため、それだけだと最悪の場合凍傷になってしまいます。そのため厚手の保温性と防風性に優れるシェルグローブを用意します。見た目はスキーグローブのイメージですが、スキー用よりも雪山登山用の方が防水性が高いのがポイントです。個人的には手が冷えると途端に寒さを感じるので、しっかりとした厚手のグローブを選びました。

7)保温性のあるインナーシャツ

雪山に限らず気温の低い環境で威力を発揮してくれるのが、ウールなどの厚手のインナー。晴れている日は雪山でも登山中に汗をかきます。ポリエステルや綿の場合、休憩時など汗冷えして体が急激に冷えてしまいますが、ウールは厚手で保温性・吸汗速乾性も高く非常に重宝する素材です。私はスノーボードと冬の釣りでも併用していて、一つ持っておくとタウンユースでも使えます!

8)厚手のウールソックス

トレッキングソックスは春~秋用でも中厚程度のものが多いですが、冬用は厚手がおすすめです。足が唯一雪と触れっぱなしになるので、最も冷えてくる部位でもあります。厚手のソックスは雪が降っていなくても秋の高所登山で使うこともあり、意外と活躍の期間は長いので(10月~5月頃)、インナーシャツと合わせて持っておくと安心です。

3シーズン用と兼用できる装備

装備全てを「雪山登山用」として用意するというわけではなく、中には春~秋の3シーズン用と兼用できるアイテムもあります。以下のポイントも併せて確認してみてください。

・ダウンジャケット:風雪を防ぐためにフードが付いていて、厚手であれば問題なし。薄手のインナーダウンだと防寒としては不足なので他のアイテムと組み合わせる必要があります。

・ザック:ザック下部にピッケルホルダーが付いていれば問題なし。最近の30リットル以上のザックには、ホルダーは付いているザックがほとんどです。雪だからと油断しがちですが、雪がザックの中に入って荷物が濡れてしまうのでザックカバーも必須です。

・バーナー:バーナーは兼用できますが、燃料のガス缶は寒冷地仕様のパワーガスが必要です。

・サングラス:太陽光が雪に反射するため雪目になってしまうこともあり、夏よりも活躍します。

まとめ

見た目の重厚な装備や天候への不安などから、ハードルが高いと思われがちな雪山登山。しかし春~秋との違いを理解し、装備をしっかりと用意すればそんなことはありません。行ってみないとわからないことも多いので、最初からひとりで行くのではなく、経験者と一緒に行くかガイドツアーに参加して色々な知識を得るのがおすすめです。今年こそは雪山へ!という方はぜひチャレンジしてみて下さい!

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この記事を書いたひと
藤澤 元希

会社勤めの傍ら、ライター活動をしています。登山歴は11年。テント泊好きで、たまに山小屋泊もします。好きな山域は北アルプス、八幡平、奥秩父周辺。最近は奥秩父の豊富な登山道を巡っています!

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