限られたスペースを有効に使おう!ザックのパッキングのコツ

パッキングイメージ 登山ノウハウ
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日帰りだったり泊まりだったり、調理器具を持って行ったり持って行かなかったり、持ち物が違うとなかなか決まらないパッキング。私は大きく三つに分けて考え、多少内容やザックの容量が変わっても共通して使えるような位置で定番化しています。コツをつかんで無駄のないパッキングをマスターできれば、ストレスも減りいつもの登山がぐっと楽になります。

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これでいいの?悩ましいパッキング

パッキング中イメージ

よくパッキングの基本として、重いものは背中側、ひんぱんに使うものは上などといわれますが、どうしても悩んでしまうものです。

「日帰りハイキングの場合、どんな荷物が重いものにあたる?」

「ひんぱんに使うものは何?」

「歩いている時に水分補給する水もザックの背中側に入れるの?」

「ネットに溢れている情報と自分の荷物の種類が違うので、よく分からない」

かく言う私も長い間、入れては出してと何度もやり直したりしていました。パッキングは慣れと工夫が必要です。現在、私のザックのパッキングは大きく三つに分けて考えています。

  • 『主に目的地で使うもの』→メインの荷室
  • 『一番上にあると役立つもの』『歩行中に使うもの』→雨蓋

文章だけではイメージがしにくいと思うので、冬によく行く日帰りアイスクライミングの35Lザックの中身を、荷物を入れていく順序でお見せします。

日帰りアイスクライミングのパッキング

パッキングの中身

主に目的地で使うもの(荷室)

◆ 底部:積み重ねて入れる

・一番下に入っている赤い袋にはダウンジャケットが入っています。もともと円柱形の小さい収納袋が付属していますが、コンパクトに収納できる一方で形や大きさが固定されるため、荷室の中にデッドスペースができやすいのです。このスペースが何となくもったいない!そこでいつも私は、少し大き目の防水仕様のスタッフサックに防寒着を入れて一番下にセット。柔らかい衣類は形を変えやすく圧縮できるので、上に入れる荷物となじませてデッドスペースを減らします。

・下から2番目の青い袋も防水仕様のスタッフサックで、クライミングで使うハーネスを入れています。軽くて目的地で使うものです。また長時間行動や泊まりの登山の場合は、この位置に非常時用の荷物として、ツエルト、予備食、着替えなどを入れることもあります。

非常時用というと、すぐ出せる場所にしまうイメージかもしれませんが、「非常時用」は道迷いなどで万が一遭難してしまった時にしのぐ荷物として、「緊急時用」はケガや体調不良など即座に対応するための荷物として、区別しています。そのため「非常時用」はひんぱんに使うことがないので、荷室の底部に入れるのがベターだと思っています。

◆ 中段:縦に並べて入れる

次は、荷物を縦に並べていきます。まず中央寄りに重いものを入れて、その両脇のスペースに軽いものを詰め込みます。なぜかというと、中心に重心がくるとバランスが良くなるからです。左右で偏りがあると歩いている時にふらつきやすく、転倒してしまう可能性がでてきます。また、縦に並べて入れることで見やすく、荷物が取り出しやすくなります。

・青い袋の真上にある黒いメッシュ素材の袋は、ケースに入ったアイゼンです。重さはケースとアイゼンで1.3kg。その右側にあるシルバーに光っているのは山専用ボトル0.9Lで、めいいっぱいお湯を入れた重さが1.2kg。目的地で使う荷物の中で1番重いものがこの2つ(合計2.5kg)で、1セットとして真ん中に配置します。

・そしてアイゼンケースの左側ですが、緑の袋には予備の冬用グローブを入れています。黄色と黒で少し見えているものは、目的地で使う冬用グローブです。すぐに使うので袋には入れていません。

・山専用ボトルの右側の黄緑色はハードシェル。当日の天気予報は風も弱く快晴でしたが、風雪が厳しくなる可能性がゼロではないため、比較的取り出しやすい位置に入れました。

◆ 一番上:空間にのせる

・クライミングする際に使う白いヘルメットです。そしてヘルメットの中のデッドスペースに、昼食と予備の行動食を。天気次第で、ヘルメットの中はハードシェルと入れ替えることもあります。

一番上にあると役立つもの(雨蓋)

・雨蓋には、救急セットやトイレセットなど、行動中いざという時にすぐに取り出したい荷物を入れています。また、携帯充電器やヘッドランプなどもここに入れています。

・歩いている途中に補給したい行動食などは外側のポケット類を使います。

アイスクライミング

日帰りハイキングのパッキング

日帰りハイキングのパッキングも、考え方としては前述の通りです。日帰りハイキングの場合は30L以下のザックを使い、雨蓋の有無に関係なく下の図のようにパッキングしています。

パッキング図

こちらもポイントは、一番下に少し大き目の防水仕様のスタッフサックに防寒着を入れることです。“少し大き目の袋“に入れると、下側にいくほど幅が細めまたは幅が広めのザック、奥行きが薄いまたは厚みがあるザックなど、さまざまなデザインのザックでも無駄な隙間ができにくいです。

レインウェアは付属の収納袋のままではなく、スーパーでもらうようなビニール袋に入れています。ビニール袋の方が付属の収納袋よりも出しやすくサッとしまえて、形が変えられるので隙間にいれやすく便利です。

ザックの容量やベルトなどパーツにも注目

日帰りハイキングでは20~30L程度のザックが適していますが、季節や登山スタイルにより荷物の内容も変わります。少しでも楽に歩くためには、大きすぎず小さすぎない、荷物の量に合わせたザックを使うのがベストです。

とはいえ、様々な容量のザックを揃えることは現実的に無理かもしれません。そんな場合はザックのサイドベルトで荷物が動かないようにしっかり引き締めて安定させます。 重心の位置が高すぎたり、重いものが体から離れた位置にある場合や、隙間が多くてザックの中の装備がガサゴソ動き過ぎると、歩行時に体が振られやすく、ショルダーベルトが引っ張られて肩が痛くなってしまいます。

初心者のうちは、ベルト類をうまく使えていない方が多いように思います。そこまで気が回らないのかもしれませんが、ベルトを活用できるとパッキングの安定感はかなり変わりますので、すぐに取り入れてほしいコツです。

ザックのサイドベルト

また、パッキングだけでなく背負い方でもかなり楽になります。ウエストベルトがある場合は腰骨の上にベルトが乗るように調整をして、荷物の重さが腰にのるようにします。ショルダーベルトの上にあるストラップは、ザックが体に沿うように調節してください。

まとめ

パッキングを考えるのは面倒に思う人も多く、気になりながらも小さいザックにめいいっぱい詰めたり、容量が大き目のザックにただ荷物を入れるだけの方がいるのも事実です。体力のある人なら気にならないかもしれませんが、ムダな隙間をなくしてぴったり動かないようパッキングされると、重心が安定して体の負担も軽くなります。

荷物の入れ方や背負い方次第で便利さだけでなく疲れ具合も変わるのなら、試してみても損はありません。早速、次のハイキングでは、パッキングをひと工夫して体の軽さを体感してください。

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この記事を書いたひと
ケイ

リードクライミングを中心に、クライミング要素が強めの山行を通年楽しんでいます。両足手術後の快復をきっかけに、年をとっても自分の足で岩や山を登って大自然のパワーを吸収する人生を送るために、日々精進中。

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山歩みち