登山計画にとって大切な現地情報の調べ方・まさかのしくじり失敗談

現地情報 イメージ 登山ノウハウ
スポンサーリンク

待ちに待った登山の日、いざ現地に向かうとアクシデントに遭遇することがあります。登山口の駐車場が満車で停められない、営業していると思っていたトイレが閉まっている…。登山ルートだけでなく現地の関連情報も事前の確認が大切。どんな点に気を付けて調べればいいのか、私の失敗談もあわせてご紹介します。

スポンサーリンク

計画段階で調べること

現地情報 イメージ
特にバスの運行スケジュールは注意が必要

◆ アクセスについて

私が良く行く丹沢には、普段は一般車両が通らない林道が幾つかあります。数年前、何も調べず台風の数日後に行ってみると崩落で通行止めとなっており、林道手前で車を停め、アプローチに90分かけるということがありました。その時は行程を縮小し登山は続行できましたが、歩行者も通れないような場合は中止するしかありません。

林道の落石や崩落も気になるところですが、その前に大きな道路が凍結や事故などで通行止めになることもあります。公共交通機関も運休やダイヤ変更がある場合もあります。高速道路の状況、路線バスは通常運行しているか、その場合の迂回路など、アクセスに関わる情報は調べておく必要があります。

<Yahoo!路線情報>

運行情報(JR、私鉄、地下鉄、新幹線)
日本全国(北海道,東北,関東,中部,近畿,中国,四国,九州)で現在発生しているJR・新幹線・私鉄・地下鉄の運行情報や遅延情報、事故、運休、工事情報などを提供しています。

<日本道路交通情報センター>

日本道路交通情報センター:JARTIC
高速道路、一般道の道路交通情報や、渋滞予測、開通予定などを公開しています

<アクセスのここをチェック>

  • □ バス、電車の運行状況と当日のダイヤ(季節・土日・平日の違い)
  • □ 高速道路の通行止め
  • □ 林道、私道の通行状況

◆ 利用予定施設について

登山口に到着したものの、駐車場が定刻にならないと開かない。食料を買う予定のコンビニが行ってみたら閉店していた。思い出すだけでもその時の絶望的な気持ちが蘇ってきます。最も悲惨だったのはアルプスで2泊3日の沢登りから下山後、駐車場が閉場となっており、さらに崩落工事が重なったことで帰宅が1日遅れてしまい、結婚記念日に間に合わなかったことです。その後は1ヶ月の登山禁止を妻に厳命されました。

現地情報 イメージ
営業していたはずのコンビニが閉店していた時のショックは計り知れない

登山時に利用する施設は大体のことは事前にネットで調べられますが、ホームページがない場合や、更新されていないこともよくありますので、重要な場所については直接電話するのが確実です。最新情報や、繁忙期の利用状況も聞けたりするので、何かあれば計画に反映することもできます。

<利用予定施設のここをチェック>

  • □ 駐車場の営業時間
  • □ お店が少ないエリアに行く場合のコンビニや商店の営業状況
  • □ 登山口のビジターセンター(当日の山の状況確認やトイレなど利用のため)

◆ 山小屋について

ある秋の登山、季節外れの雪に見舞われ、みるみるうちに周囲は雪景色。同行していた知人の装備が夏仕様で引き返すかどうか検討した結果、頂上に通年営業の山小屋があるからと続行したのですが、まさかの無人で全員凍りついたことがあります。その時は天候も次第に良くなりなんとか乗り切れましたが、山小屋が閉まっているとわかっていれば、安全策で下山がベストであったと反省した登山でした。

事前に調べておく情報の中でもかなり重要度が高い山小屋。宿泊、休憩、食事、緊急時対応など沢山の機能を持った登山のオアシスであり命綱ですので、宿泊せずに通過するだけだとしても、 営業状況の確認はしておいた方が良いです。 避難小屋やテント場が併設されているところの場合は、無人でも使用可能かどうかも確認しておくと、もしものときの安心感が違います。

<山小屋のここをチェック>

  • □ 宿泊・食堂・売店の営業状況
  • □ テント場、宿泊の利用方法(完全予約制の場合がある)
  • □ 水場・トイレ・避難小屋の利用可否

◆ 登山道について

あるはずの木橋がない、雪で埋没してどこを歩けば良いのかわからない、通行止めになっているなど、登山道でのアクシデントは結構あります。特に積雪期の埋没は精神的に堪えます。雪質やどれほどの積雪になるかは地域によって大きく違い、経験を積めばある程度の対策はできるのですが、全く無知で奥秩父に突っ込んだ際、見事にルートミスとラッセルという洗礼を受けました。雪山は特に例年の情報収集と慎重な計画が重要です。

現地情報 イメージ
普段は見上げる鳥居が積雪で埋没寸前。目印がなくなる。

登山当日の登山道情報を得ることは難しいですが、エリアのビジターセンターや、ネット上の過去の登山記録を検索してみると、場所によっては直近の情報も得ることができます。登山記録を探すなら専門サイトのヤマレコがおすすめです。ただ、ベテラン経験者の視点で詳しく参考になる情報が多い反面、記録では楽に通過していたり簡単そうに見えても、初心者にとっては相当ハードである場合もあるので、書いてあることをそのまま鵜呑みにしないよう注意も必要です。

<ヤマレコ>

https://www.yamareco.com/

<登山道のここをチェック>

  • □ 直近、悪天候時、積雪時の登山道の画像
  • □ 通行止めになっていないか
  • □ 増水しそうな箇所
  • □ 濡れると危険な箇所、強風だと危険な箇所
  • □ 水場・トイレの利用可否

登山1週間前に確認すること

現地情報 イメージ
天気を読んで快晴の中を登りたい

◆ 天気予報

登山1週間前になると、当日の山行がどうなりそうか具体的な予測ができるようになります。登山を始めたころは、日常的に見ている天気予報だけで行ってみると予報と違っていることがよくありました。雨予報ではあったものの想像以上の豪雨に襲われ、もはや滝になった登山道を下山したことも何度もあります。

現在は登山の有料天気予報サイト「ヤマテン」に登録しています。山岳専門の気象予報士である猪熊隆之さんが代表を努めているヤマテンは、山域や高度に応じた予報を詳しく見ることができます。ヤマテンを見るようになったおかげで天気を読むことの重要性をより強く感じるようになり、観天望気や天気図の見方を知るなど、良い学びにもなっています。

一般的な天気予報サイトで1週間前から大まかな予報を把握しておき、2日前からヤマテンの予報を確認するのが私のお決まりルーティンです。

<ヤマテン>

山の天気予報

<1週間前からの天気なら>

山の天気 - tenki.jp
日本百名山やその他の山のふもとの天気予報や、付近の数値計算結果を掲載しています。夏山シーズン(7~8月)は、全国の山小屋の方々が観測する気象データと、そのデータをもとに気象予報士が山の天気を予報しています。快適かつ安全な登山・トレッキング計画の一助となるべく、現地の天候の観測情報や、1週間先までの山の天気予報などの情報...

登山前日に確認すること

現地情報 イメージ
当日は晴れ予報でも、数日前の雨が登山道に影響を与えていることも多い

◆ 登山道

前述のとおり、事前の登山計画時に調べますが、念のため直前にも情報が出ていないかもう一度調べておくと安心です。たまたま前日に登った人が情報を上げてくれていることがあるので、ヤマレコなどの情報共有サイトを一応チェックしてみるのがおすすめです。

◆ 噴火警戒レベル

数年前の御嶽山噴火以降、噴火の危険性とリスク回避の必要性の認識が強まりました。行く山が活火山かどうかの確認も含めて、噴火警戒レベルを必ず見るようにしています。

数年前には、北アルプスへ行く際、2日前から焼岳の火山活動が活発になったと情報が入り、登山の決行をパーティで検討することがありました。結論は問題なしとして決行となり、当日もトラブルなく登山を終えました。行ってしまってから知ると、問題はない状況だとしても少なからず動揺して心配になったり、本来の登山ができません。事前に把握して納得しておくことが大切です。

<噴火警報・予報>

気象庁|統合地図ページ
地図コンテンツページです。気象警報、大雨危険度、台風情報、気象情報、天気予報、季節予報、ひまわり、アメダス、ウィンドプロファイラ、海上警報、潮位観測情報、波浪観測情報、津波、地震情報、推計気象分布、震央分布、噴火警報、降灰予報を表示します。

知りたい情報が見つからない場合

現地情報 イメージ
季節やその年によって変化がある情報は電話で現地に確認

ここまで登山前に必要な情報と入手先をご紹介しましたが、知りたいのに見つからない情報というのも出てくると思います。たとえば熊の出没情報や山の開花状況だったり、山行計画段階では営業情報が未定ということもあります。

そんなときは、現地のビジターセンター、山小屋、観光協会などの自治体、所管警察署に電話で問い合わせるとわかることがあります。現地に詳しい方々なので、最新情報で信憑性も高いことが多いです。ただし聞きたい内容によって適切な問合せ先は異なりますので、注意してください。

あまり行かない山域に行くときは、山小屋に電話することがあります。こちらが気づいていない登山道の情報など山中での行動に役立つ話を聞くことができたり、実際に現地の方と話をすることで安心感も得られます。

他に調べておくと良い情報

私は家族と山に登りに行くときや、ガッツリ山!ではなく観光とセットで行くようなグループ登山のときは、麓の温泉や土産屋、観光地などの情報を調べています。山周辺で楽しめるイベントは「温泉」「食事」が鉄板です。ここを押さえておけば確実ですが、高速道路を使うときは「サービスエリア」という手もあります。

登山の楽しみは人それぞれ、登山が雨やトラブルで思ったほど楽しめなかったとしても、他のお楽しみがあれば最後には良い思い出になりますので、下山してからの楽しみを何かひとつ用意しておくのがおすすめです。

まとめ

登山はいつも同じになることはなく、その日、その時の状況は行くまで分かりません。ただ、行かないとわからないからといって準備せず行き当たりばったりだと、何も対応できず精神的にも余裕がなくなり、せっかくの登山が散々なものに。どんな小さなことでも、一度調べて把握しておけば、現地で焦らず行動できます。

情報収集も登山技術のひとつといえると思います。特に今はネットであらゆる情報が調べられるようになりました。自分が信頼できる情報源をいくつか持って、登山計画がスムーズに立てられるようになれば、登山が準備段階からもっと楽しいものになると思います。

スポンサーリンク
この記事を書いたひと
pepe

登山、沢登り、渓流釣りをこよなく愛するアウトドアライター。好きな山は八ヶ岳の権現岳と丹沢の丹沢山。山でのごはんと焚き火が何よりも楽しみです。山に行けない日が続くと禁断症状が起き、何も手につかなくなります。

pepeをフォローする
登山ノウハウ
スポンサーリンク
pepeをフォローする
スポンサーリンク
山歩みち