登山サークルのリーダーが心がけている「登山前・登山後」の大事な役割

サークル登山 イメージ 登山ノウハウ
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登山サークルを主催するリーダーにとっては、登山中の立ち回りだけでなく、登山前の準備、登山後のフォローも大切な仕事です。固定メンバーがいる場合は役割を分担してもいいかもしれませんが、登山サークルの場合はいつも同じメンバーが参加できるとは限りません。ここではサークルでメンバーを集めて日帰り登山を行う場合にリーダー(企画者)がやることを、「登山前・登山後」にポイントを絞って紹介してみます。仲間との登山を企画する場合にも、ぜひ参考にしてみてください。

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登山前にやること

1)日程を決める

毎月第〇土曜日、というように日程を先取りするサークル運営方法もありますし、その都度リーダーから日程を提案して決める方法もあります。

この時、リーダーの意見を前面に出し過ぎるとうまく人が集まりません。かといってメンバーの意見を尊重するだけでは話が集約できません。どちらのスタイルも一長一短なのですが、リーダーの意見とメンバーの意見の比率が7対3ぐらいで、ある程度リーダーが主導権をとって決める感じが、比較的まとまりやすいかと思います。

2)メンバーを集める

登山イメージ

サークルに登録しているメンバーがお互いすでに顔見知りである場合は、メンバー集めも比較的スムーズです。しかし新規メンバーやゲスト(メンバーの友人など)が加わる場合もありますし、何よりサークル運営が始まって間もない頃は、みんなお互いのことが良くわかっていない状態です。

リーダーはメンバーに対してメールやラインを使って連絡の不備を防ぎながら、個別の対応をしたり、メンバー間の橋渡し役も要求されますので、ある程度の細やかさは必要だと思います。

3)登る山を決める

日取りとメンバーが決まれば、次は登る山を決めます。リーダーが独断で決める場合もあれば、メンバーの意見を集約させて投票方式で決めるなど様々です。

この時リーダーは、参加するメンバーの登山レベルや体力レベルを把握しておくことが最重要ポイントとなります。特に初級者レベルのメンバーがいる場合は、体力、技術面を十分に考慮しながら、適する山を選ばなくてはいけません。そんな時は自分自身が既に登頂したことのある山を選ぶ方が好ましいです。

1~3の流れは順不同です。日程と山を決めてからメンバーに召集をかける、または山とメンバーを決定してから日程を決めるなど、場合によっていずれもあります。どの順番でも最初に希望や意見をしっかりすり合わせることで、計画が立てやすくなります。

4)登山ルートを決める

登る山とあわせてルート選定も、メンバーの体力、技量を頭に入れながらの作業になります。また参加人数が多いほど、予想していた所要時間よりも長くなる傾向にあることも気を付けておかなければいけません。このメンバー構成でこの人数なら、といった全体感で考える必要があります。

ピストンルートにするのか、周回ルートにするのか、他にも危険箇所や水場・トイレの有無、コースタイムの確認、アクセスに利用するバスや電車の時刻との兼ね合いなど、注意すべきことは多いです。

5)集合時間と場所を決める

集合イメージ

実はサークル登山計画の隠れたヤマ場ともいえるのが、集合時間・場所の決定です。特筆すべきは、参加メンバーが車移動なのか公共交通機関利用なのかによって、集合時間・場所が大きく変動すること。両者が混在する場合、登山口集合にするのか、いったん駅集合にするのか、駅でピックアップでも全員乗れるのかなど、動きが複雑になります。

公共交通機関利用の場合は運行ダイヤ・乗り換え・途中の駅でピックアップなど注意すべき点が多いので、リーダーからも情報提供したり、最終的な到着予定時刻や便を確認するなど、フォローする必要があります。

車移動の場合は、集合場所から家が遠い人、駐車場の有無などにも気を配る必要があります。友達同士だと自宅近くから乗り合って行くのが普通かもしれませんが、サークル登山の場合、初対面や顔見知り程度だったり、乗り合いに抵抗がある人もいるので、難しいです。

6)登山計画を共有する

スケジュール

最終的な決定事項をまとめて、メンバー全員に共有します。山と歩く予定のコースについても概要を事前に告知しておけば、当日の登山も比較的スムーズです。初めての参加者には持ち物などのフォローもしておくと、リーダーとしても安心できます。

登山届もあわせて準備し、事前にネットで提出、もしくは当日の登山口で提出します。

7)悪天候が予想される場合

事前にしっかり計画を練り上げていても、登山前日の天気予報で雨や強風が予想される場合があります。台風のような悪天候は分かりやすいのですが、小雨予報や霧予報、日中にピンポイントで雨が予想されるなど、ハッキリとした中止の判断が難しい時もあります。最終的にはリーダーの判断ですので、自分の経験値やメンバーの力量、山の難易度などを考え、メンバーの意見も参考にしながら、私の場合は天気予報が「降水確率50%以上・風速15m以上」をひとつの中止判断基準にしています。

当日のリーダーの行動について

当日のリーダーの行動については、こちらの記事に詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

グループ登山を成功させる秘訣!リーダーとメンバーの視点を理解する
仲間同士で楽しい時間を共有できるのが、グループ登山の良いところです。しかし実際にグループで山に登ってみると、単独登山ではなかった不満や問題点が出てくることがあり、それはリーダー不在のグループ登山にありがちです。グループ登山への参加やリーダ...

登山後にやること

最後のあいさつ

無事に下山したら、登山口でひとまずリーダーが締めのあいさつを行います。この時、メンバーから本日の感想や反省点などの意見も出してもらうと、お互いに信頼感も生まれます。

今後、登山を続けていくにあたっての教訓にもなりますし、サークル活動計画にもいかせるなど、運営者にとってもメリットは多いと思います。個人的には登頂時よりも、下山してからしばらく余韻に浸っている時間の方が、達成感や満足感が高いと感じています。

現地解散のメンバーがいる場合は、ここで一区切りとします。

お風呂やお店への立ち寄り

車移動の場合は、近くに温泉がある場合は立ち寄り予定を入れておけば、下山後の楽しみにもなります。スマートフォンで当日すぐに温泉検索もできますが、お風呂に行くかどうかで持ち物も変わってきますので、リーダーは事前にいくつかの候補を調べておくとスムーズです。

ただ、下山時刻によっては省略になる可能性も共有しておかなければいけません。

精算

公共交通機関で帰宅するメンバーは駅まで、車で途中から乗り合わせの場合は中継地点までメンバーを送り、ガソリン代、高速代などの必要経費を精算します。お金の問題はきっちりしておかないと不満やもめごとの原因につながりやすいので、事前にメンバーに対して精算システムを説明しておき、了承を得ておくことをおすすめします。

まとめ

ここで紹介した内容はあくまで一例に過ぎず、メンバー構成によって注意すべき点は変わってくると思います。いずれにしてもリーダーは登山中のことだけでなく、登山外の部分も含めてトータルで楽しい思い出になるよう配慮して、もしトラブルがあったとしても 「また行きたい!」と思ってもらえれば、最終的にはその登山は成功なのではないでしょうか。

リーダー経験がない人も、これからも長く登山を続けるつもりであれば、色々な裏方仕事があることを認識しておくだけで少し行動も変わると思いますし、いざ自分が企画する側に回った時にもとても役立つと思います。

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この記事を書いたひと
ちゅんざい

登山のきっかけは20代豪州留学時代、タスマニア島で5日間の縦走登山です。一眼レフカメラを携えながら、紅葉や夜景、朝日や樹氷を求めて山頂を目指す日々。低山からアルプス、時には海外ハイキングと日々楽しんでいます。

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