地図読み以前の超初心者向け・今さら聞けない登山で使う地図の種類

地図の種類 登山ノウハウ

いつも誰かに連れて行ってもらうので、自分で地図を持参したことがないという方もいるのではないでしょうか。観光用の地図から登山用の地図、一般的な地形図、さらにアプリまで、一口に地図といっても色々なものがあります。基本中の基本すぎて人に聞けない、登山でよく登場する地図の種類をここで紹介します。

地図は何のために必要なのか

登山中の地図の役割は大きくふたつ「現在地の特定」と「この先の予測」です。今自分がどこにいるのかを確認したり、これから先の道がどれくらいあるのか、急な登りなのか、沢を渡るのかなどを予測したり。地図で「この辺りにいる」という目安があれば、その後の展開が大きく変わります。安全に登山するための、登山者必携の道具なのです。

日常生活でも地図を見るには得意不得意があったり、登山での地図読みというと、なんだか敷居が高いものと感じる方も多いと思います。しかしどんなことでもステップがあるように、地図を見ることもステップがあります。

苦手意識があるのであれば、初めは自分が通る予定の道とコースタイムがわかるだけでも構いません。とりあえず地図を見ることに慣れてきたら、気づきが増えていきます。そのうちに山の情報をもっと知りたいと思うようになり、地図読みの勉強を始めたり、最終的には等高線と地図記号等とにらめっこしながら、頭の中で立体化した地図の中で登山をできるようになれば最高です。

登山に使う地図の種類

いよいよ自分で地図を用意しようと思った時に、何を見たらいいのかさえわからないかもしれません。一般的によく使われるのは以下のような地図です。

・観光パンフレットやガイドブックの地図

地元の観光協会などが発行しているパンフレットや市販のガイドブックにあるような、主にウォーキングやハイキングの際に利用されるイラストマップです。等高線などは書かれていない場合が多く、本格的な登山には不向きですが、来訪者の多い観光地で整備された道を歩く程度であれば、持たないよりは十分有効です。

・山と高原地図

昭文社から発行されている、日本国内の主要登山地域の情報が記載された登山者向けの地図です。一般的な登山者のほとんどがこの地図を使っているのではないでしょうか。コースタイム、崩落、道迷いなどの危険個所、眺望の有無、トイレがあるか、水場など、登山者が求める情報を詳しく記載してくれています。まずはこちらの地図で、登山に必要な情報は何かを学びながら慣れていくことをおすすめします。

山と高原地図
登山地図といえば誰もが一度は使ったことのある山と高原地図

・地形図

国土地理院が発行している、等高線、地図記号などを用いて現地を詳細に記載した地図です。等高線や地図記号のみで表現されている「地形図」なので、山と高原地図にあるような、登山に便利な情報は記載されていません。地図読みといえば、この地形図から様々な情報を読み取り使いこなす技術となります。一般登山道を利用しない沢登りやバリエーション登山では、登山者独自で記載したい情報を書き入れることがあるため、好んで使われます。

地形図
地形図にはあらゆる情報がぎっしりと詰まっている

・地図アプリ

現在では登山用の地図アプリは多数あります。これから地図をちゃんと使おうと思っている人は、紙の地図だけでなくアプリも併用するのがおすすめです。大きなメリットは、GPS機能で現在地の特定が容易にできること。圏外だったとしてもGPSは使えますし、機内モードにしておけばバッテリーの消耗もわずかです。

私が活用しているのは、登山用GPSアプリのYAMAP、地形図を表示する地図ロイド、先に紹介した山と高原地図のアプリ版で、使い勝手も悪くありません。YAMAPと地図ロイドは無料でダウンロードでき、山と高原地図アプリは有料ですがお試し地図を見ることはできます。その他にもまずは試しに無料のものをいくつか使ってみることをおすすめします。

地形図を見る時の超基本ポイント

すでに山と高原地図は使ったことがあり、そこから一歩進みたいという人であれば、次は地形図を見てみてください。初めて地形図に向かうと、何を見たらいいのか頭が真っ白になるかもしれません。まずは方位を確認すること、そして等高線をじっくり見ること、この二つです。

・方位

誰かについて登山道を歩いているだけだと、あまり方位を気にしたことはないのではないでしょうか。自分がいくら動いても、東西南北と山の向きは絶対に変わりません。登山口から山頂はどの方向なのか、どちらから太陽があがりどちらに沈むのか、大雑把にでも東西南北をつかんでおくと便利です。地図読みが上達してくれば、方位、地図、現地の風景から現在地を特定することができるようになります。

・等高線

地図上のウネウネッとした縞模様は等高線と呼ばれています。線と線の間が狭いと急な斜面を意味し、等高線が山頂に向かって突き出るような形であれば谷を意味するなど、地形を読み取るための基本の線です。

例えば、地図上の距離は短いのにやけにコースタイムが長い区間があった場合、等高線の幅が狭く急な斜面であることが多いです。また、一般的に下りは上りよりコースタイムが短くなりますが、それが変わらない区間もあります。これは単純な斜面ではなくアップダウンがある場合が多く、等高線を見ると一目で分かります。等高線は地形についての情報の宝庫なので、等高線がわかるようになると、地図が立体感を持った3Dマップのように見えてくるようになります。

地形図

地図と合わせて持ちたいもの

コンパス

・コンパス

アウトドア用の時計なら機能としてついていたり、携帯電話のアプリにもあります。とはいえ、シンプルなアウトドア用コンパスを紙の地図とあわせてすぐ使えるように持っておくのがおすすめです。使いこなせるようになれば、太陽の方位から大体の時間を把握することもできたり、奥の深いアイテムです。

マップケース

・マップケース

地図は何としても濡れて見えなくなるのは防がなければいけません。専用のマップケースなら、コードが付いていたりシワが付きにくいなど便利な機能があり、頻繁に出し入れして見ても快適に使えます。

【モンベル】ロールアップ マップケース M
雨天時や沢登りでも地図を濡らさずに使用できる、防水性の高いマップケースです。バックパックのショルダーハーネスに簡単に取り付けでき、四つ折りにも、二つ折りにもできる独自の仕様です。1:25,000の地形図が四つ折りで収まるサイズです。低温下でも硬くなりにくい素材を使用しています。※水中での使用など、完全防水を必要とする用...

まとめ

地図はなくてはならない大事な登山道具です。でも、だからといって「覚えなくちゃ」と構えてしまうと、登山がとても窮屈なものになります。今まで地図をちゃんと見てもいなかった人が、地図読みを勉強しなければといきなり地形図に向かっても、楽しくありません。

まずは登りやすい身近な山や登ったことのある山で、自分が見やすい地図を持って登ってみるだけでも、以前は気づかなかったことや、見えなかったことが見えてきます。少しずつでいいので、地図から新しい登山の魅力を感じてみてください。

この記事を書いたひと
pepe

登山、沢登り、渓流釣りをこよなく愛するアウトドアライター。好きな山は八ヶ岳の権現岳と丹沢の丹沢山。山でのごはんと焚き火が何よりも楽しみです。山に行けない日が続くと禁断症状が起き、何も手につかなくなります。

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