【推し企画】山歩みちライターと編集部が、自分の好きな登山に関する「推し」映画や本などについて個人的な想いのみで語っていきます!
『ゼルダの伝説・ブレス オブ ザ ワイルド』とは
『ゼルダの伝説・ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ゼルダの伝説)は、2017年に発売された任天堂のアクションゲームです。Nintendo Switch または Wii U で遊べます。
ゲームの内容を超簡単に紹介すると、主人公であるリンクを動かして、敵を倒して世界を救うストーリーです。ちなみに、ゼルダはヒロインのお姫様の名前です。
大厄災と呼ばれる災害が起こり ハイラル王国は滅亡した……。
それから100年後、主人公リンクは地下遺跡で永い眠りから目覚め、不思議な声に導かれて大地へと踏み出す。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド公式HP
公式HPには、ゲームのストーリーのほか、開発についてのインタビュー動画などもまとめられています。こちらを見るだけでもゲームの世界観に引き込まれ、かなり楽しめます。
ゲームをしない方向け:ゼルダは二種類のゲームに対応
普段ゲームをしない方にとって、いまはゲーム機器や種類が多すぎて、何がどう違うのかわからないという方も多いと思います。ゼルダの理解を深めていただくためにも、まずはゲーム機について説明しますので、既にご存知の方は次の章へどうぞ。 ゼルダの伝説は、Nintendo Switch または Wii U で遊べます。
◆ Nintendo Switch
任天堂の一番新しいゲーム機で、テレビに繋いでも、携帯ゲーム機としても遊べます。本体とゲームソフトの購入が必要です。ゲームソフトは、本体に差しこむカセットか、本体にダウンロードするデータか、どちらの方法でも購入できます。 大人気の「あつまれどうぶつの森」もこれです。最近は品薄で、店舗によっては抽選に当たらないと購入できなかったりします。
携帯ゲーム機専用の廉価版として、Nintendo Switch Liteもあります。Liteは、ゲームソフトによっては遊べないものもあるので注意してください。ゼルダの伝説は遊べますが、例えば最近流行っている筋トレゲーム「リングフィットアドベンチャー」は遊べません。
Switchは定価29,980円(税別)で、Switch Liteは定価19,980円(税別)です。ゲームソフトはだいたい4,000円~8,000円くらいで、ゼルダの伝説は定価6,980円(税別)です。
◆ Wii U
こちらも任天堂から2012年に発売された本体で、既に生産終了していますが、中古本体は7,000円程度で購入できます。Switchと同じで、テレビに繋いでも携帯ゲームとしても遊べます。今後、新しいゲームソフトはもう発売されないので、安く入手してちょっと遊ぶならこちらでも良いですが、他のゲームもこれからいろいろ遊んでみたいなら、Switchの方がおすすめです。
参考までに、他のゲーム機にはこんなものがあります。
◆ プレイステーション4: Sony製の、テレビに繋いで遊ぶ専用ゲーム機。Switchは初心者向けやみんなでわいわい遊ぶゲームが多いのに比べて、プレステは一人用や複雑なゲームが多い印象があります。画質はSwitchよりも高いです。
◆ Newニンテンドー3DS:任天堂の携帯ゲーム機。2画面あって、タッチパネルで操作できるのが特徴です。Switchのように、初心者向けやみんなで遊べるゲームが多いです。
人によってゲーム機を選ぶ基準は違うかもしれませんが、私は「このゲーム機が欲しいから買う」よりは、「このゲームソフトが遊びたいから、そのためのゲーム機を買う」という感覚です。ちなみに、ゼルダの伝説は
Nintendo Switch または Wii U の2種類のゲーム機で遊べますが、たいていは1種類のゲーム機でしか遊べないことが多いです。
どっぷり浸れるゼルダの世界
ゼルダの伝説は、ストーリーに沿って敵を倒し、物語を進めていくゲームです。ボスを倒して世界を救うのがメインの目的ですが、世界が広くてきれいなので、ただ歩き回るだけでも楽しめます。
オープニングで見える火山やお城、他にも氷河やジャングルなど、いろいろな場所があります。このゲームの特徴は、世界に区切りがない「オープンワールド」と呼ばれるマップになっていて、見える範囲のほとんどの場所に移動することができます。
ゼルダの世界では、プレイしているとゲーム内の時間が進みます。夜は暗くなり、朝には太陽が昇ります。遠くに見える山と朝焼けは、まるでひんやりとした山の朝の空気までそこにあるような気がしてきます。
風が吹くと、草が揺れて、土埃が立ちます。雲も常に動いています。そこに空気があって、水があって、人が生きている。世界が生きている、そんな風に感じられます。
ゲームを進めていくと、空が飛べるようになります。例えば山頂に登って街が見えたら、そこまで飛んで降りていくことができます。現実でも飛べたらいいのに!
ゼルダの世界が蓬莱山にあった!
ゼルダの伝説のオープンワールドに入り込んでいた私。そんな私が登山にハマったきっかけの一つは、滋賀県・蓬莱山から見えたオープンワールドでした。
ある夏の日、友人と琵琶湖の見える高原リゾート、びわ湖バレイに遊びに行きました。ロープウェイで山に登り、アスレチックとおしゃれなカフェを楽しむのが目的です。
当日は天気が良く、ロープウェイから琵琶湖が一望できました。ロープウェイの山頂駅から蓬莱山まで、スニーカーで登れる程度の緩やかな山道があります。途中の遊具で遊びながら、歩いて40分ほどで山頂に到着しました。
山頂に着くと、いきなり目の前が開けました。そこから見えた景色は、きれいな青空と雲と、どこまでも広がっていそうな山々。山頂から続く草原の中に一本だけ道があり、山の向こうまで伸びている。この景色を見たときに、ゼルダの世界みたいだ・・・・と思ったのです。
リンクを移動させて山頂に登って、眼下に世界が広がる。その先にさらに山が見えてくる。あの風景は本当にあった。現実世界にもこんなにきれいな風景があったんだ…。この先にはもっとすごい景色があるのかもしれない…。
ゲームの中では簡単に山をいくつも越えてきましたが、しかし、このときの格好では「この先登山道」の看板の先には行けません。この道に踏み出せたなら、あの山の向こうまで行けたなら…。いつか絶対に行ってみたいと強く思ったのでした。
ゼルダの世界の先へ…蓬莱山に登る
実はびわ湖バレイに行く一週間前に、本格的な登山デビューをしたのですが、登頂できずに疲れ果てて帰ってくるという苦い経験をしたところでした。
山の景色はきれいだけど、初心者向けのルートも登りきれず、筋肉痛が辛くて、これから登山を続けていけるんだろうかと弱気になっていた私。しかし、蓬莱山の山頂からどこまでも続く山の景色、ゼルダの世界に飛び込みたいという思いが、その後も登山を続ける原動力の一つになったのです。
ここまでの経緯やトレーニングについては、ぜひこちらの記事をごらんください。このストーリーの裏にはゼルダの伝説があったのです。
びわ湖バレイ観光の翌週からは、ほぼ週一ペースでいろいろな山に登りました。日常トレーニングにも励み、少しずつ体力と筋力が付いてくると、登るのがだんだん楽になり、さらに登山が楽しくなっていきました。そして今度は自分の足で、麓から、蓬莱山に登ってみることにしました。
蓬莱山へのチャレンジルートは蓬莱駅から小女郎峠を通って山頂へという、登りコースタイム約3時間の行程にしました。駅から住宅街を抜けて林道を過ぎると、緩やかな山道が始まりました。木が茂る森の中を谷に沿ってしばらく登ります。
谷から尾根へ登る小女郎峠の手前で、登山道がいきなり急登になりました。ここまで3時間ほど登り、すでに疲れているところで現れた厳しい坂に、絶望しかけました。少し休もうと後ろを向いたときに見えてきたのは…。
琵琶湖です!谷にいる間は見えなかった琵琶湖が、後ろに見えていました。あのときロープウェイで登った高さまで、もうたどり着いていたのです。元気を取り戻し小女郎峠まで登りきると、あのときに見た景色の奥、オープンワールドのその先が、どこまでも広がっていました。
蓬莱山に近付いていくと山頂の施設が見えてきて、より一層、 今、自分は、あのときに見た景色の中にいるんだ、自分の足でここまできたんだと、強く感じられました。
まとめ:現実世界はゼルダの世界にある
ゼルダの世界のような、オープンワールドの先に行ってみたい!と思った、あのときの願いが叶いました。
しかし実際に行ってみたら、まだまだ先に山は続いています。現実世界はどれだけ行っても行き尽くせない、果てのないオープンワールドのようなものなんだと感じました。
登山の世界に入ってみて、ゼルダの世界に似ていると感じることがよくあります。正確には「ゼルダの世界が現実世界に似ている」はずなのですが、先にゼルダの世界に生きていた私にとっては、完全に逆として感じています。私が見つけた、現実世界とゼルダの世界の似ている光景を紹介します。
例えば、これは岐阜県・焼岳の頂上を見上げた写真です。草原を抜けて、頂上直下は岩だらけで厳しい急登です。
こちらはゼルダの世界。草原の先に岩山が見えて、形もなんだか焼岳に似て見えます。
山にはよく仏像があります。蓬莱山にもありました。
ゼルダの世界では、仏像が並んでいてリンゴがお供えしてあります。すべての仏像の前にリンゴを置くと、隠しアイテムがもらえます。
山では野鳥がよく見えます。鳥は大群で空を飛ぶとき、隊列を組みます。
ゼルダの世界でも、鳥がこのように空を飛んでいます。この鳥は捕まえたりはできないので、ゲームには関係ないのですが、細かいディティールに凝っているからこそ、そこに生きているように感じられるのかもしれないと思います。
登山自粛中は、ゼルダの世界で生きて、山をどこまでも駆け回ります!