京都市と高槻市にまたがる関西百名山のポンポン山(標高679m)。カタクリの花の群生地があり、4月上旬~中旬に登ると可憐な花々を見ることができます。私が春に訪れたい山としてまず挙げたい場所であり、さらに下山後の意外なインパクトのあるお楽しみグルメと併せてご紹介します!
『山歩みち』では★の数で山のレベルをおおむね以下の基準で設定しています。
体力度│★:山登りをやってみたいと思うころ。登山回数0~1回のひと
★★:山登りにまた行ってみたいと思うころ。登山回数1~2回のひと
★★★:山登りを続けたいと思うころ。登山回数3回以上のひと
技術度│★:山歩きよりも森歩き、丘歩きに近い
★★:お手軽ハイキング気分で楽しめる山登り
★★★:ちょっとした冒険気分を楽しめる山登り
<登山レベル> 体力度│★★ 技術度│★
ポンポン山へのアクセス
ポンポン山のおすすめ登山コース
コースタイム:約4時間30分
原立石バス停(30分)→神峰山寺(1時間30分)→本山寺(1時間)→ポンポン山(約1時間)→善峰寺(約30分)→小塩バス停
※水場なし。トイレ:本山寺、善峯寺
北摂の名峰、ポンポン山。ユニークな名前で知られるこの山は東海自然歩道が通っており、市街地から近いこともあって登山初心者や家族連れにも人気の高い山です。愛嬌のある名前ですが、古くは加茂勢山(かもせやま)と呼ばれていたそう。名前の由来について私は、たぬきがよく出た山だからかなと思っていましたが、山頂付近で足踏みするとポンポンと乾いた音が響くことからついたと言われています(諸説あり)。
鉄板のイチオシコースは、登山口は高槻市から、下山は京都市に降りるコースです。ポンポン山手前の神峰山の森自然園は歩きやすく季節の花々が楽しめ、山頂で眺めを堪能した後は、桜や紅葉の名所である善峯寺へ下ります。
バス停からしばらく歩くと、日本最初の毘沙門天安置の霊場としても知られ、1300年以上の歴史を持つ神峰山寺(かぶさんじ)があります。商売繁盛、金運財運向上を祈るといいですね。神峰山寺からは神峰山の自然公園として整備されています。
つづく本山寺も本尊が毘沙門天で、鞍馬寺、朝護孫子寺とともに「日本三大毘沙門天」とも言われています。本尊の毘沙門天立像は重要文化財の秘像だそうです。いずれも奈良時代から続く古刹(こさつ:古い寺)なので、興味のある方は立ち寄ってみてはいかがでしょう。
山頂への東海自然歩道は途中までは舗装路ですが、植林から豊かな自然林に変わります。
ゆるいアップダウンを繰り返してようやく山頂です。ポンポンと音が出るかな、と山頂に向かう途中で何度か足を踏みならしてみたところ、かすかに聞こえたような気がしました!
広い山頂からは京都の比叡山や愛宕山、琵琶湖、そして生駒山や大阪湾までも一望。 京都市街と木津川、桂川、淀川の三川合流も望めます。
低山ながら、登ったハイカーだけが楽しめる360℃のパノラマ。 山頂から下る道は、ポンポン山をバックにとても気持ちの良い景色が広がっています。
春の見どころはカタクリと桜
ポンポン山の山頂直下にはカタクリの花の群生地があります。開花時期は、例年3月後半~4月前半。カタクリ保護区としてネット柵の中にあり、西山自然保護ネットワークの方々の努力で支えられ守られているそうです。
カタクリの花が完全に咲くには気温が13℃以上で十分な陽射しを必要とするので、どんな咲き具合に出会えるかは当日のお楽しみ。大切に保護されているので、マナーを守って鑑賞してください。
カタクリ以外にもクロモジ、ミツバツツジ、シャガなどの山野草、そして桜も見ることができるので、春をたくさん感じる山行となること間違いなしです。
コースの最終地点は西国三十三カ所20番目の札所である善峯寺。春は3万坪ある善峯山全体を覆う桜でピンク色に染まって圧巻です。
桜の開花時期は例年4月上旬~下旬。境内には樹齢300年にもなるしだれ桜が見られます。 春の桜だけでなく、秋は紅葉の名所としても非常に有名なので、時間があればぜひ拝観してみてください。
登山のついでにちょっと寄り道
◆ 京都激辛商店街
善峯寺から徒歩30分の小塩バス停からバスに乗り、阪急東向日駅で下車すると、京都府向日市の仮想商店街である「京都激辛商店街」が駅前を中心に広がっています。向日市は京都市と長岡京市に隣接しているベッドタウンで、「激辛」を掲げてユニークな町おこしを図っているのです。
クセになるおいしさとして知られる「麒麟園」(広東料理)、旨辛餃子の「餃子の一来一来」、死神チャーハンで有名な「珉珉 向日町店」など、辛さと美味しさで勝負に臨む店がたくさんあって迷いそうです。辛いもの好きならぜひ帰路につく前に立寄って、登山の疲れを辛さで吹っ飛ばしてください!
◆地元グルメ「たけのこの里」
京都市西部、洛西は竹林が多く、たけのこの里として知られています。シーズンには無人販売所があり、市価よりも安価に手に入れることが可能。京都の春の味わいを持って帰るのもいいですね。
まとめ
今回は向日市の激辛商店街に立ち寄るプランをご紹介しましたが、京都へ降りずに手軽にポンポン山をピストンして、下山後は高槻市の渓谷「摂津峡」を見に行ったり、ご当地グル「高槻うどんギョーザ」に舌鼓もおすすめです。春と紅葉の秋も多くのハイカーで賑わっているポンポン山。「ポンポン」と音が聞こえるか、あなたの足でぜひ確かめに行ってみてください。