情熱だけでは続かない!社会人登山サークル運営の悩みと解決策

登山ノウハウ
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インターネット、とりわけSNSの普及により、登山サークルに加入して気軽にグループ登山ができるようになりました。情報や経験を共有できる登山仲間は、長く登山を続けていく上では大変貴重な存在です。

しかしサークルという組織は、運営者(リーダー)による地道な努力なしでは成り立たない側面がある一方で、山岳会のような厳しいルールや縛りは望まれておらず、思うような舵取りはなかなか難しいのが現状です。

学生時代にもサークル運営の経験がある私が、社会人登山サークルを継続させていく上での運営上の悩みや解決策について、経験談を交えながら説明していきたいと思います。

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悩み1:社会人は何かと忙しい

一般的に学生サークル活動というのは、学業以外の時間を利用した仲間づくりの場、というゆるいものだと思います。サークルによって活動方針は様々ですが、授業そっちのけでサークル活動に夢中になる人もいれば、アルバイトに精を出してサークルにはたまにしか来ないという人もいます。

ところが社会人になると、誰もが仕事最優先の生活に一変します。世の中には様々な就業スタイルがあることに加えて、共に生活している家族の存在もある訳です。その中で趣味を続けるだけでも難しいのに、他人とスケジュールを合わせるサークル活動というのは大変なエネルギーが必要で、元々ハードルの低さが売りの登山サークルでメンバーの出席率を上げていくことはなかなか簡単ではありません。

解決策の一つとして、事前に数ヶ月先の日程まで、仮の日程と行先を決めておく方法があります。大事なことは、メンバーにとっても登山計画が立てやすいスケジュールを、運営側が明確に提供することです。

悩み2:サークル活動の方向性

登山サークルの運営を進める上で必要不可欠なこと、それは活動の方向性です。

社会人サークルにありがちな白紙状態からのスタートは意外と大変で、 初級者向けのサークルなのか、あるいは中級者も含めたものなのかというレベルの違いだけをとっても、人の集まり方に大きく影響を及ぼします。日帰り登山だけに専念するのか、アルプスなどの山小屋宿泊も行うか、他にも冬シーズンは雪山にも登るのかなど、決めておくべきルールは多いと思います。

また、方向性と併せて考えておかないと運営自体が難しくなる関連事項もありますので、注意が必要です。

  • 山ごはんをメインコンセプトにすると女性も参加しやすい反面、偏る可能性もある
  • 初心者を重視した低山登山ばかりだと、夏場の暑い時期がしんどい
  • 体力重視の登山計画が多いと、参加メンバーが限定されやすくなる
  • 遠征登山を行う時は、車を出せるメンバーが最低限必要になってくる

このように活動や人集めに影響する点は多種多様にあります。ただし、ルールを決めたとしても実行に移してみないとわからないことも多いのが事実。特に立ち上げて間もない時期は、試行錯誤を繰り返しメンバーの意見をうまく取り入れながら、サークルの方向性を定めいくことになると思います。

どんなメンバーがどんな意識で参加しているのか、実際に山で一緒に行動して確認するのがいちばんの方法です。リーダーとメンバーの視点の違いについて、こちらの記事も参考にしてみてください。

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悩み3:メンバー構成と募集

メンバー募集方法や人数は運営方針によって変わります。運営者にパワーがあれば随時募集をかけても良いと思いますが、そうでない場合の大所帯サークルはあまりおすすめできません。

人数を増やし過ぎると幽霊部員が多数発生したり、古参メンバーと新参メンバーとの間に溝ができたりするなど、さじ加減が難しくなることがあります。 特に男女の混合サークルは何かと気を使う場面も多いのです。

また、学生サークルではお互いによく話し合ったり、飲み会などで親睦を深めたりというパターンが有りがちです。しかし社会人の登山サークルでは純粋に山に登ることだけを目的としている人がいることや、別の登山サークルと掛け持ちしている人もいるので、人によってサークルに対する温度差はかなりあると考えています。

学生サークルでは、皆年齢が近く、年度ごとに必然的に人が入れ替わりますが、社会人サークルでは年齢層が広くなり、運営方針次第で人が入れ替わるという大きな性質の違いがあります。幅広い年齢層の人を多く集めても、円滑な運営ができなければ意味がありません。

良くも悪くも運営者の力量によって、サークルの許容人数は大きく変動するということを頭に入れておくことは大切です。また、活動の方向性がある程度定まってきたら募集の際にきちんと告知しておくことで、応募する側も申込みしやすくなりミスマッチが減ると思います。

悩み4:運営のマンパワー不足

サークルの人数次第で、運営者の仕事量は変動します。少人数の場合は自分一人の手で何とか対応できたことでも、多人数になると情報伝達や指示系統がうまく機能しづらい状態に陥ります。そうなるとメンバーの満足度も低下しますので、早めに手を打つことが肝心です。

学生サークル時代でも、学年が異なるメンバーをまとめる上で同級生のサポートは欠かせないものでした。集団行動をする上で、同級生や同世代の人間とはウマが合うことが多いのは事実としてあると思います。まして社会人サークルではより一層、メンバー間の年齢には大きくばらつきが出やすいものなので、運営スキルが高そうな人だけでなく、自分と同世代の人たちをうまく巻き込みながら仕事を振っていくことで、サークル運営が円滑になると思います。

また、運営に男女両方がいるようにしたり、もしメンバーの人数構成割合が自分の年代と異なる場合は、そのメインとなっている年齢層から運営にまわってもらうことで、フォローがしやすくなることもあります。登山計画を立てる上で、運営者としての具体的なお仕事内容を説明したこちらの記事もご覧ください。

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登山サークルを運営するにあたって、give(与える)ばかりでは疲れてしまいます。時には人に任せて、take(受け取る)も必要です。仮に運営者がいなくなりサークル活動が停止しても仕方がない、という割り切った考え方も、ある意味必要だと思います。情熱を継続させる為にも、頑張り過ぎないように行動することはとても重要です。

まとめ

登山サークル運営の悩みや難しさはなかなか表には出しくいのですが、リーダーや運営者の多くが共通して抱えていることだと思います。明確な答えが見つけにくい場合も多いので、ここに記した解決策もあくまで可能性の一つに過ぎません。

そもそも単独で登る登山者も多く、あくまで登山サークルは手段の一つとして考えている方も多いと思います。その中で出会った人たちと楽しく安全に登れたら良いかなという、肩ひじを張らないスタイルを意識するぐらいでサークル運営はちょうど良いのだと思っています。

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この記事を書いたひと

登山のきっかけは20代豪州留学時代、タスマニア島で5日間の縦走登山です。一眼レフカメラを携えながら、紅葉や夜景、朝日や樹氷を求めて山頂を目指す日々。低山からアルプス、時には海外ハイキングと日々楽しんでいます。

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