グループ登山を成功させる秘訣!リーダーとメンバーの視点を理解する

登山ノウハウ
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仲間同士で楽しい時間を共有できるのが、グループ登山の良いところです。しかし実際にグループで山に登ってみると、単独登山ではなかった不満や問題点が出てくることがあり、それはリーダー不在のグループ登山にありがちです。グループ登山への参加やリーダー経験もある私が、リーダーとメンバーの違いについて解説してみます。

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リーダーを決めることは重要

友達や同僚、知り合いといった関係で登山する場合、なんとなく登山経験の長い人が頼りにされる雰囲気だけで、リーダーをちゃんと決めずに歩くことも多いのではないでしょうか。ただその場合、本人にはリーダーという自覚や責任感がなかったり、幹事はまた別の人だったり、登山経験はないけど発言力のある人が別にいる場合もあります。

リーダーとメンバーでは考える範囲や視点が異なります。責任感をもってリーダー役を担う人がいないと、みんなが中途半端に意見を言い合ってしまい、どうしても上手くいかないこともあるのです。

全員がリーダー視点をもって判断できることが理想ですが、登山初心者のうちはなかなかそれに気付くことができません。ここでは、実際に登山する際の流れにそって、それぞれが考えること、気をつける点を見ていきたいと思います。 メンバーのつもりで、リーダーのつもりで、読んでみてください。

集合とスケジュール

▲ メンバーが気をつけること

登山で遅刻は厳禁です。ちょっとした遅れが後々のスケジュールに響いてきたり、時間にルーズな人がいると全体の雰囲気にも影響を与えることがよくあるからです。特に車移動はカーナビがあっても迷うことがあるので要注意。家を出るのが遅れているのならその時点ですぐリーダーに到着が遅れることを伝えます。急な体調不良などによる欠席でも同様です。ギリギリまでひっぱったり誰かを介してではなく、すぐにリーダーに直接連絡が基本です。

● リーダーが気を付けること

他のメンバーよりも先に集合場所に到着するようにしておきます。誰かが遅刻する可能性もふまえて余裕のある計画作りや、対処法を考えておくことも大事です。メンバーがそろったら、初対面同士がいる場合は紹介したり、忘れ物がないか声をかけたり、できるだけコミュニケーションをとり良い雰囲気を作ります。ここで当日のスケジュールを改めて全員に知らせておくのも良いと思います。

歩くペースと列の作り方

▲ メンバーが気をつけること

グループ登山で一番不満の出やすいところが、登山時の歩行ペースだと思います。自分がついていけるか心配な人は、リーダーとペースについて話しておくのが良いと思います。ただ、無理をするのは良くないですが、完全なマイペースを貫いて、自分はいいから先に行ってほしいなどと言うのも仲間を困らせることになりますので、グループで行く以上、多少の頑張りも場合によっては必要だと思います。仮に隊列が崩れてもひとりでぽつんと歩かずに、歩調の合う仲間と共に行動したり、誰かに一緒に歩いてもらうことが、事故や怪我を防ぐ意味でも重要です。

逆に、ペースの速い人たちはどんどん先に行かないように、グループ全体への配慮が必要です。遅い人が悪いというような雰囲気を作ってしまうのはグループ登山ではあってはいけないのですが、この意識がない人も多いです。速く歩ける人こそ、ペース調整が必要です。

● リーダーが気をつけること

グループで歩く時は一般的にリーダーが先頭、体力や技量に不安がある人はリーダーのすぐ後ろの2~3番手、そしてサブリーダーが一番後ろを歩く並びが基本となります。しかし自分の経験上、人数が多い時や、メンバー間の体力・技量に大きな差がある時は、柔軟に列を変えた方が良いと感じることもあります。

人数が多い時は列の真ん中にサブリーダーを挟んだり、リーダーの後ろに何か不安がある人を集めて、元気な人達はみな後方を歩いてもらうなど、体力や技量が他より劣る人を最優先に考えて工夫します。

大事なのは、どのような方針で歩くのかを全員に理解してもらうことと、リーダーだけでなくサブリーダーとなる人を決めて、一緒にサポートしてもらう体制をつくることです。リーダーがうまく役割を果たしていないグループ登山では、列がばらばらになることが多い印象です。 列が分かれるとしても、なんとなくバラけるのではなく、先頭と最後尾だけは固定するとか、組を分けるなど、しっかり共通認識のもとで行うことが大切です。

グループ登山では力量の劣る人のケアがとても大事です。特に登山経験の浅い人は自分に適したペースが分かっていない場合も多く、オーバーペースになりがち。靴ずれや膝痛などの身体系トラブルを抱えてしまうこともあります。リーダーが個別のケアまで全て抱えるのは大変なので、こまめに声をかけたり様子の変化をみて気を配るよう、他メンバーにもお願いしておくと良いと思います。

登山中の状況判断

▲ メンバーが気をつけること

最低限、当日歩くルートの地図は事前に確認しておきます。しかしグループ登山の場合、リーダー任せでそんな基本的なことを行わない人も意外と多いのです。行ってみてこんなはずじゃなかったと思っても、誰かを責めることはできません。グループ登山は個々が自分に責任をもち協力しあうことで成り立ちます。地図でコースタイムを確認しておけば自分の体力との相談もしやすくなります。登山経験値を積み上げる上でも、自分の頭で考えて登ることは重要です。

● リーダーが気をつけること

メンバーが当日の登山ルートを頭に入れてないこともあるので、注意が必要です。雨天や強風など登山条件が良くない日は、危険箇所が多いルートを回避するなど臨機応変な対応が求められます。そんな場合は特にグループがバラバラにならないよう、できるだけ全員まとまって歩くように気をつけなければいけません。

ペースが遅くなり下山が遅れることもあるかもしれませんので、計画にゆとりを持たせておくことがここで重要となってきます。余裕がなくなると、みんなにも焦りや不安が出てきて全体の雰囲気が悪くなることがあります。リーダーは明るさと冷静さ、自分の意思で判断する勇気も必要です。

休憩のタイミング

▲ メンバーが気をつけること

眺望のいい地点、トイレや茶屋など休憩場所があらかじめ決まっている場合もありますが、その時の状況やリーダーのひと声で休憩が決定することも多々あります。人によって登りが苦手な人、下りが苦手な人、暑さに弱い人などタイプは様々です。次の休憩までどれくらいあるのかを把握し、少しでも自分の身体に異変を感じたら、早めにリーダーに伝えることが重要です。

● リーダーが気をつけること

休憩時にはメンバーにここまでの登山ペースの速度の是非を確認したり、体力やスピードの劣る人がしんどく感じている場合は、列の並びの入れ替えを行ったりします。水分やエネルギーをちゃんと摂っているか、様子がおかしくないかをしっかり観察するのもリーダーの務めです。人数が多い場合は、休憩後は全員揃っているか確認してから出発します。

他の登山者からの見え方

グループ登山で意外と盲点になりやすいのが、第三者からの視点です。仲間同士の空間に夢中になり、いつの間にか周りの登山者に不快な感情を与えていることがあります。よくありがちな例として以下のようなものがあります。

  • 会話に夢中で後ろから来ている登山者の存在に気付かない。
  • 人数が多い時でも狭い登山道を無理に進行してしまい、すれ違う相手側の待ち時間が長くなってしまう。
  • 休憩場所で不要に荷物などを置いて、椅子や机などを占拠してしまう。
  • 登山中や休憩場所、交通機関などで大きな声で長々と会話する。
  • 撮影スポットでなかなか場所を譲らない。

他にも色々あると思いますが、グループ内の誰かが気づくだけで解決することばかりです。常に周囲への配慮を忘れないようにしてください。

まとめ

グループ登山は楽しそうなイメージがありますが、それはお互いの協力があってこそ。リーダーにはリーダーとしての、メンバーにはメンバーとしての責任があります。誰かのせいにしたり、自分の主張ばかりを押し通すことなく、登山ではチームワークがとても大事です。

リーダーはメンバーの気持ちも考え、メンバーはリーダーの気持ちも考え、お互いの視点の違いを理解し尊重することで、グループ登山は単独登山とはまた違う楽しさを得られるものになると思います。

※チームワークについてはこちらの映画もどうぞ!

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この記事を書いたひと

登山のきっかけは20代豪州留学時代、タスマニア島で5日間の縦走登山です。一眼レフカメラを携えながら、紅葉や夜景、朝日や樹氷を求めて山頂を目指す日々。低山からアルプス、時には海外ハイキングと日々楽しんでいます。

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