山にずっと行けないわけではない。他国では、徐々に規制緩和の動きもでてきています。ここでは身近な韓国の例を参考にしながら、今の日本はどんな状況なのかを考えてみました。
規制が緩和されて山に行き始めた韓国
日本よりも早く感染者が広まった韓国ですが、最近では規制が緩和され、一定のルールのもとで登山に出かけられるようになったそうです。しかもその数は、昨年同期よりも増えているといいます。
北岳山国立公園事務所によると、今年3月だけで北岳山を訪れた登山客(道峰山を入れて)は67万5900人に上る。昨年同期の47万7085人より20万人ほどが増えた。鶏龍(ケリョン)山も2月23日から今月19日まで35万9000人が訪れ、昨年同期より50%近く増えた。
東亜日報より
こちらは韓国の日ごとの感染者数のグラフです。ピークは2020年3月3日の851名、現在は10名程度と、かなり減ってきているのがわかります。規制が緩和されたのは4月20日ころだそうなので、ピークから約1ヶ月半後ということになります。
韓国のコロナ対策はどんなものだったのか?
では、韓国はどんなコロナ対策をしていたのでしょうか。まず韓国のコロナ対策といえばいち早く取り入れた「ドライブスルー方式」の検査が有名で、これによって広く検査数を増やしていたそうです。
また、こちらの記事によるとポイントは「スピード」と「徹底的な情報公開」で、強制的な都市封鎖は行っていないとのこと。
そこから危機を脱するまでの10日の間、政府は大きなルール変更を行った。病院とは別の隔離施設(生活治療センター)を開設し、軽症者はそちらで管理することで病床を確保した。また屋外テントなどを利用しての外来の分離、さらに医療従事者と患者の双方を感染から守るための「ドライブスルー検査」も世界に先駆けて実施された。
「スピード」が医療崩壊を食い止めた。
今回の新型コロナ対策において、韓国政府の方針は「徹底的な情報公開」だった。そこで感染の確定診断をうけた人々の動線は全て、細かく公開されるのが原則だ。名前こそ伏せられ、代わりに通し番号での公開だったが、それでも家族や同僚など身近な人はそれが誰だが知っている。
ちなみに韓国政府は欧米式ロックダウン(都市封鎖)のような強制措置はとっていない。人々の移動や、商業施設の営業なども、全て自主判断に任されている(学校だけは休校措置が延長している)。
数多く検査をして陽性者を特定し、そこまでの行動を追跡し、それを全国で公開することで、人々の外出自粛を促していったという流れです。
日本の感染者数はどうなっている?
日本の現在の状況はどうなっているのでしょうか。日ごとの感染者数のグラフを見てみると、この中で最も多い日が4月17日の1,200名です。専門家ではないので、ここでは実際の検査数など細かい数字は別として、あくまでこのグラフの形に注目して比較しています。
もう一度、上で掲載した韓国のグラフを並べてみます。
韓国とは対策方針も異なるのでどちらがいいということはわかりませんが、欧米のような強制的な都市封鎖(ロックダウン)は行わずにここまできたという点は同じです。但し、韓国でもまだ安心はできず、この規制緩和後に再びコロナ感染者数が増加していないかを、注目していく必要があります。
日本では登山再開できるのか
対して日本はというと、ピークを越えたと判別できるタイミングかどうかさえ、まだわからない状況です。
ゴールデンウィークの初日には八ヶ岳で滑落事故が起こってしまいました。登山エリアや郊外の自然スポット周辺では、このままではゴールデンウィークに多くの人が来てしまう可能性を考え、交通機関の運休や道路・駐車場の閉鎖まで行われています。
少しでも早い登山再開のために、今こそ登山を自粛しましょう。お出かけしたいけど、、と迷っている余地はありません。なんとか韓国のように政府も認めたうえでアウトドアに出かけられるよう、登山者のみなさま、今、頑張りましょう。どうかよろしくお願いします。