登山で使うヘルメット、選び方のポイントは?お店での試着はここに気をつけよう

helmet 登山アイテム

靴や服と違って日常で使うことがないヘルメットは、購入する時に何に気をつけたらいいかわからないもの。メーカーやブランド名も登山初心者には聞き慣れないものが多くなってくるため、なかなか決断できないことも多いだろう。大前提として「ヘルメットはお店で買う」ことを推奨する。ちなみに、店員さんに相談できるからお店に行こうと言っているわけではない。その理由も含めて、登山用ヘルメットをお店で買う時の、選び方のポイントをまとめてみた。

とにかくお店でかぶってみるべし

いくら事前に調べてこれだ!と決めて買いに行っても、実際にヘルメットをかぶってみたら痛い、きつい、逆にゆるいなど、頭の形に合わないことはよくある。帽子選びでもいいなと思ってかぶってみたら入らなかった、という経験をしたことはないだろうか。

ヘルメット選びの順番としては、まずそのお店にあるものを片っ端からかぶってみることをおすすめする。違和感があるものを消去法で除外していって、残ったものを比較して選ぶ方が、最終的な1個にたどりつくにはだんぜん早い。

今は店員さんの数も少なかったり、声をかけられそうな人がいても別の売り場担当で詳しくなかったり、休日の登山用品店ではそんなにゆっくり接客をしてもらえるほどの余裕はない。やっと店員さんをつかまえたとしても、何か聞きたそうなお客さんが近くで待っていることも多く、独り占めするのも申し訳なくて落ち着いて選べない。

店員さんが忙しくて相手をしてもらえなかったとしても、自分で試着して納得のいくものを買って帰るために、これだけは!という具体的なポイントをおさえていこう。

こちらのラインナップで事前に目星をつけて、お店に在庫を問合せてから行くのも効率的だ。

試着する時に気をつけること

ひとりで試着する時は、必ず鏡の前でチェックしよう。おでこを隠すようなイメージで深めにまっすぐかぶる。このポジションが、鏡がないとなかなかわかりにくい。ヘルメットが上向きになっていたりすると、耳のあたりのベルトが正しい位置にこない。

サイズ調整は後頭部にダイヤル式やベルト式のパーツがあるので、締めたりゆるめたりして、キツイ、ゆるい、の感覚を確かめてみよう。きちんとあごひもを留めてから、上下左右を見たり頭を動かして、さらに微調整してズレない位置を探す。

髪が長い人は、いつも結んでいるのと同じ状態で試すのがよい。どうしてもヘルメットに当たってしまい、ヘルメットの時は結べないこともある。髪を結んでも干渉しない設計になっている女性向けヘルメットもあるので、ロングヘアの人は候補に入れると良いだろう。

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また、この先の使う場面や季節も考慮しておこう。微調整した結果で既に最大サイズなのであれば、ヘルメットの下に帽子などをかぶると、もう入らないことになってしまう。例えば汗が気になる人は対策として、水泳帽のような薄手の帽子や、手ぬぐいをかぶる人もいる。冬も使うのであれば、耳が隠れるニット帽をかぶる可能性は考えておく必要がある。

試着してみて気がつくこと

サイズ調整ができたら、登山でよくある動きをしてみよう。例えば下を見て靴を履く動作や、急に上を見上げる、後ろをふりむくなどしてみる。実際にヘルメットをかぶり比べてみて、初めて気がつくことは多い。

  • 側頭部、おでこなど、特定の位置に圧迫感がある
  • 頬やあごなど顔周りにパーツが当たり痛い

サイズは合っているのに、どうしても何か当たってしまう場合はある。位置をずらしてもそこで固定できないと、動いているうちにまた同じ状態に戻ってしまう。ほんのちょっとしたことでも何時間も続くと、ストレスとなり蓄積されて疲労につながる。購入後に一部を外したり手を加えたりして調整する人もいるが、他のヘルメットでも選択肢があるなら、除外した方がよい。

  • 歩いたり首を動かすとズレる
  • かぶりが浅くて安定しない

サイズの微調整をしても何かおさまりが悪い場合は、かぶり方が間違っているか、頭の形とヘルメットの型が合っていないということになる。かぶり方は合っているのにおさまりが悪いなら、これも除外した方がよい。

  • あごひもがスムーズに着脱できない

慣れれば鏡で見なくてもつけたり外したりができるかどうか。利き手の問題やパーツの構造、角度などが影響し、人によってスムーズに着脱できるものとそうでないものがある。特に冬は手袋をつけたままでも取り扱いできるものを選びたい。

お店にはレインウェアも持参すべし

ヘルメットを買うのになぜレインウェア持参?と思うかもしれないが、風雨の中でヘルメットを着用する場合、基本的にはヘルメットの上からレインウェアのフードをかぶり、すっぽりとフードで包み込むような状態になる。ヘルメットの外径とフードの大きさが合わない場合、ヘルメットの上からかぶれないことがあるのだ。

ヘルメットが必要な場所でかつ風雨となるとかなり厳しい状況であり、そこでレインウェアのフードがかぶれないとなると、場合によっては低体温症など命の危険にも関わる。お店に自分のジャケットを持参したり、店頭にある同じタイプのジャケットを合わせたりして、購入前に必ず確かめよう。

以前に、ヘルメットとフードが合わないジャケットの時に雨が降ってしまったことがあった。ギリギリで無理やりかぶせたが、頭が固定されて首の動きが妨げられ、ちょっと動くと脱げてしまう。歩きながら直している余裕もないのであきらめて、首から中が濡れるのを防ぐためにタオルを巻き、そのまま行動するしかなかった。

ではフードをかぶった上にヘルメットをかぶればいいのではないか、と思うかもしれないが、あごひもがきちんと留められず、フードの上でヘルメットが滑ってズレてしまう。上げても上げても落ちてきて視界のジャマになり、それがストレスで風雨の中で歩くのに集中できず、結局前述の対応でのりきった。

その時は短時間だったのでよかったが、これが長時間でしかも気温が低かったらと思うとゾッとした。ヘルメットの上からフードがかぶれないようであれば、ジャケットの買い替えも検討すべきだ。

迷ったら軽い方を選ぶ

最後に残ったもので迷って決められないなら、価格よりも軽さで選ぼう。登山において軽さは正義だ。少しでも軽い方が、かぶり続けても楽なのは間違いない。登山ルートによっては長時間着用することになるため、圧迫感や重量で頭に負荷がかかり、頭痛が起こることもある。

何十グラムという差なので、お店でちょっとかぶってみるだけでは違いがわからないものもあるが、その差が蓄積されると大きな影響が出てくる。感覚値だけでなく、ヘルメットの重量は数字でも確認しておこう。

持ち運びについても、軽い方が楽だ。登山用で折り畳み式のヘルメットも出ているので、軽さだけでなく収納性も重視するならそういった選択肢もある。

テンションの上がるヘルメットを

そもそも、できることならヘルメットはあまりかぶりたくないと思っているだろう。それはやはり見た目の問題も大きいと思う。安全のために必要だと理解はしていても、頭がでっかくなりかっこ悪い、というイメージがある。

しかし、いくつかかぶってみると、明らかに顔とヘルメットがバラバラで浮いていて似合わないものと、意外とおさまりよくしっくりくるものとがある。サイズやデザインの良し悪しというよりも、自分の頭や顔立ちとの相性だ。せっかく買うのだから少しでも似合う、テンションのあがるヘルメットを見つけよう。

そして最後にひとつ覚えておきたいのが、例えば剱岳に行くのにヘルメットを買うことと、剱岳に登れることは全く別問題だということだ。ヘルメットを買ったから登れる、という話ではない。どんな道でも転ばないバランス力、岩で頭を打たないような注意力、注意力や集中力をキープするための体力など、ヘルメットが必要な山に行くには、実はヘルメットよりも基本的な登山技術が必要なのである。