ふだんメガネ派の人が登山を始めるときは、それなりの準備がいるのか、疑問を持たれるかもしれませんね。いつものメガネでいいのか、サングラスの方がいいのか、はたまたコンタクトがいいのか。ここではメガネ派の人が、安全に快適に登山を始めるためのポイントをご紹介。経験を重ねて、アイウェアをステップアップするときの方法にも触れますので、参考にしてみてください。
まずはいつものメガネでOK
急いで登山用のものを買わなくては、と思う必要はありません。まずは使い慣れたメガネでOKです。メガネに限らず、登山の道具は慣れていることが重要。いきなり新品を山で使ってはむしろ危険です。
メガネのデメリットとして、たとえば「視野の狭さ」をいう人がいるかもしれません。確かにコンタクトと比べればメガネの視野は狭いです。しかし、日常的にそのメガネを愛用している人にとっては、その視野に慣れているはずです。「メガネだから景色が味わえなくて損」と考える必要はないのではないでしょうか。
逆にメガネとコンタクトを両方使っていて、山での視野の広さを重視する人には、もちろんコンタクトがおすすめです。実際、登山をしている人にはメガネ、コンタクトどちらのタイプの人もいます。そこは自分の好みで決めれば大丈夫です。
メガネで登山に行くメリット
目が乾燥しにくい
コンタクトを使っている人に、目の乾燥を感じる人は多いです。人にもよりますが、目が乾燥しにくいという点ではメガネの方が優れています。ほこりの影響も受けにくいです。
泊まりがけでも管理が簡単
コンタクトだと使い捨ての簡単なタイプでも、手を石鹸で洗ってから扱う必要があります。また顔は下向きではなく、正面を向いて入れるほうがいいので、立てられる鏡が欲しいところ。メガネだとさっと洗って、メガネ拭きで拭くだけで十分です。
枝・虫・砂ぼこりなどから目を守れる
山を歩いているとき、木の枝やアブのような虫が目に当たりそうになることがあります。風で砂ぼこりがひどいことも。そんな時メガネがあると目を守ってくれるので、もちろん100パーセント防げるものではないのですが、心理的な安心感にもつながるでしょう。
メガネのデメリットとその対処法
メガネにももちろんデメリットはあります。しかしあまりお金をかけることなく改善できます。
雨や汗でくもる
メガネに何もしないまま山に行くと、湿気によってすぐにくもります。くもりを予防できるジェルやスプレーがあるので、事前に施しておきましょう。環境次第では1日持たないので、山にも持っていきましょう。
まぶしいとき
人によっても違いますが、低山でも周囲の開けた尾根道などでは、まぶしさを感じることがあります。メガネに装着できるクリップ式のサングラスを利用してみましょう。つけたまま上げ下げできるので便利です。山に何度か行っているうちに、メガネの他のものを試したくなるかもしれません。また高山だと事情が違ってくる部分もあります。これからは初心者からステップアップするときのあれこれをご案内します。
コンタクトを活用するなら
コンタクトのメリット
コンタクトは上からサングラスをかけることができます。メガネとクリップ式に加え、高機能なものやおしゃれなものなど、選択肢がぐっと広がります。またサングラスをかけないときは、耳や鼻に当たることによる疲れがありません。
ワンデータイプ
コンタクトは、毎日新品を入れて使い終わったら捨てる、ワンデータイプがおすすめです。衛生的で、洗浄などの必要がなく、気楽に使えるのが特徴。スポーツや旅行の時だけ使うという人も多いです。
コンタクトを山で使うまで
コンタクトは目にとって異物なので、眼医者さんに診察してもらうことが必要です。初めから丸1日の装用はできず、短い時間から徐々に長くしていきます。最初は目に入れるのも、もたついてしまうことがあるもの。山で使うのは、日常で装着感や取り扱い方に十分慣れてからにしましょう
登山用のメガネを選ぶなら
メガネには環境に対応したいろんな機能があります。今からご紹介する機能を複数持っているものが登山にはより適しています。
スポーツタイプ
フレームやレンズが衝撃に強く、丈夫に作られているものが多いです。横からの光や虫まで防げるタイプもあります。試着して自分に合うものを選びましょう。スタイリッシュなものをかけると、モチベーションも上がります。
紫外線カット
標高が高くなるほど、日光の紫外線は強くなります。森林限界を超えると日影がなくなり、日光を浴び続けることも多いです。紫外線は目の病気につながることもあるので、このような場面では紫外線をカットできるサングラスを使いましょう。
偏光レンズ
まぶしさの中でも、特に地面からの照り返しの光を抑えてくれます。視界が楽にくっきりと見えるようになり、1日歩いた後の目の疲れが大きく軽減されます。
持っておきたいアイテム
予備のメガネ、コンタクト
メガネは壊れることが、コンタクトは落とすことが、ないとはいえません。もしそれがないと行動できないレベルの目の悪さであれば、必ずいずれかの予備を持って行きましょう。 ザックやポケットの中での衝撃や圧迫から守るために、メガネケースは硬いタイプがおすすめです。
メガネ拭き、水
レンズにほこりがついたまま拭くと、かえって傷がつくこともあります。山では特にほこりが多いため、水で流してから拭きましょう。水分はスポーツドリンクだけでなく真水も持って行けば、このような洗浄にも使えますし何かと便利です。
くもり止め
くもり止めは山で初めて使うのではなく、事前に日常で試してみて効果を確認してから持っていきましょう。
目薬
目の疲れは全体の疲労にもつながりますので、ふだん目薬を使っている人は山にも持っていきましょう。
メガネでもコンタクトでも存分に登山を楽しめます。いろいろと試して快適なスタイルを探してみてください。