登山初心者向け!登山の服装はココをおさえて選ぼう

登山ノウハウ
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ドキドキワクワクの初めての登山。登る山も日にちも決定して、あとは当日までに準備をするのみ!でも登山経験がないから、どんな服装で行けばいいのだろうと悩んでいませんか?登山初心者はいきなり全て登山専用の服を準備する必要はありません。かといって、登山に適していない服で行くのはNG。ここでは登山初心者でも失敗しない、選び方のポイントとおすすめの組み合わせを紹介します。

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そもそも登山用の服は必要?

出典:写真AC

登山に行くために登山用の服を準備するにこしたことはありませんが、登山用の服は決して安いものではありません。そのため、初心者の方はまずは持っている服の中で、より登山に適した服装を選んでみましょう!

手持ちの服で登山に使えるものを選ぶポイント

・すぐ乾く

登山では思っている以上にたくさんの汗をかきます。タオルで拭うほどではない場合「汗はかいていない」と思いがちですが、実はザックを背負っている背中や、ズボンのベルトやゴムで密着しているウエストなどは汗で濡れている状態です。汗が乾かないままだと体が冷えてしまい、上着は着ているのに寒く感じたり、雨天や強風など場合によっては低体温症といった大きなトラブルを引き起こす原因にもなりかねません。

一番下の肌に触れる服はポリエステルのような吸湿速乾性のあるシャツがおすすめです。普段着のTシャツは綿のものが多いと思いますが、乾きにくいので登山では避けた方が無難です。素材表示のタグを見て化学繊維のものや、もしなければ綿の割合が少ないものを選びましょう。

・動きやすい

登山はウォーキングと違って、大きな段差があったり、ザックを背負ったり下ろしたり、思っている以上に全身を動かしますので、少しでも伸縮性のある服を選ぶ方がベター。普段運動をしている人ならジャージや練習着などのスポーツウェアは、伸縮性と速乾性があるので登山にも向いています。

・軽い

重みのある服は、登山中の疲れを増す原因となります。特に防寒着やレインウェアは必要な時以外はザックの中に入れて行動しますので、重かったりかさばったりすると、荷物となってしまいます。そのため、登山服はできる限り軽量かつ小さく折りたためるものが良いでしょう。

・肌の露出が少ない

山では紫外線が強いため、肌への負担が大きくなります。また、登山道の樹木や草などによる擦り傷や切り傷、虫刺されの可能性もあるので、タンクトップや短パンなど素肌を出すのは避けましょう。

但し、夏の長袖・長ズボンは、標高の高い山の場合はいいのですが、低山では暑すぎて逆に汗をかきすぎたり熱中症の原因になる可能性もあります。薄手のタイツの上にハーフパンツや、半袖Tシャツに薄手のシャツを羽織るなど、涼しさも考慮して選びましょう。

登山用の服を少しずつ買い足そう

もし今後も登山を続ける予定であれば、少しずつ登山用の服を買って快適さをアップしていきましょう。機能性が高いので、普段使いもする前提でデザインを選べば、登場回数が増えることは間違いなしです。登山では雨天や風、気温の変化など何があっても、自分で歩いて下山しなければいけません。辛い状況のときほどウェアの機能性の違いがはっきりと表れます。

登山の服装でよく聞く「レイヤリング」と基本アイテム

出典:写真AC

レイヤリングとは簡単にいうと「重ね着」のことです。登山では体温と気温の変化が大きいので、状況に合わせて服を脱ぎ着する必要があります。そのため、厚手の服1枚ではなく薄手の服を数枚重ね着するというのがポイント。基本はベース(肌着)、ミッド(中間着)、アウター(外着)の3枚となります。 登山の服装で最も大切なのはレイヤリングと言っても過言ではありません!

ベース(肌着)

ベース(肌着)は直接肌に触れる服を指し、下着や一番下に着用する半袖・長袖Tシャツのことです。汗をしっかり吸い取りなおかつ保温効果があるメッシュ生地や、吸湿速乾性にとても優れたポリエステルなどの化学繊維生地がおすすめ。女性の方はスポーツブラを選ぶと動きやすいですし汗ムレ対策にもなります。また、お好みで下半身はタイツを履いてもOK。サポートタイプのタイツはテーピング効果がありますので、膝や腰に不安がある人には重宝します。

ミッド(中間着)

ミッド(中間着)とはベースの上に着る、防寒のための服のことです。寒い時にベースの上に羽織るため、通気性と保温性があるものを選びます。秋~春や、夏の高所登山ならダウンジャケットやフリースなどが妥当です。夏の低山日帰りなら、ベースの上に寒ければアウター(レインジャケット)というようにミッドレイヤーなしという場合もあります。

アウター(外着)

アウター(外着)は一番上に着る服で、防風・防水を目的としており、大きく分けて3種類あります。

・ウインドシェル

一般的にいうウインドブレーカーです。シャカシャカした薄い生地で、軽量でコンパクトなのが特徴。日射しは強いけど風が冷たい、雨ではないけど風が強いなど、さっと羽織ることで体温調節ができ、たいへん効果的です。

・ソフトシェル

ウインドシェルよりもしっかりした生地で、ストレッチ性が高く動きやすいものが多いです。その中でも、撥水性が高くレインウェアに近いものや、防寒性が高いものなど、個別の機能がバラエティに富んでいて幅広いのも特徴。購入する時は、特に何を重視するかで選びます。

・ハードシェル

ハードシェルの代表的なものがレインウェアです。初心者のアウターとしてまずは最低限、レインウェアを準備しておきましょう。レインウェアは上下別で、できる限り軽量のものが良いです。ウィンドシェルやソフトシェルの役目も兼ねてくれるので、風が強い時や肌寒い時の防寒着としても使えます。汗で内部が蒸れないように、湿気を外に逃がす機能(透湿性)があるものをチェック。特にレインウェアは防水性と透湿性のあるゴアテックス素材が人気です。

ボトムス

ボトムスにはロングパンツとショートパンツがあります。タイツを履くのであればショートでも良いですが、履かない場合はロングにしましょう。シャツと同じで濡れても乾きが早く、ストレッチ性があり、通気性がよいパンツを選ぶのがポイントです。

ソックス

私服の靴下を履く場合、厚手でくるぶしより丈が長いものを選びましょう。薄手だと疲れやすく、短いソックスで登山靴を履くと足首周りの素肌が靴に当たり、靴擦れの原因となります。登山用ソックスを購入する場合は、クッション性、蒸れを軽減してくれる透湿性、秋冬は特に保温性をポイントに選びましょう。

帽子

紫外線から頭部を守るため、夏は熱中症予防、冬は防寒用にも帽子があった方が好ましいです。手持ちのキャップでもハットでもどちらでもOK。登山用として販売されている帽子は何が違うかというと、透湿性が考慮されていて蒸れにくいものや、撥水加工で小雨程度ならしのげるものもあります。

手袋

手袋は日焼け防止、ケガ防止、防寒、防風、防水など様々な役割があります。身体は温かくなっても手先は冷たいままだったり、岩や木をつかんで登ったり、不意につまづいて手をついたりすることもあり、手袋をしていた方がトラブルは少なくなります。登山用手袋は通気性が良いもの、滑り止めが付いているもの、防水タイプなど、目的に合わせて工夫されています。初心者の方は軍手などでの代用で十分ですので、まずは素手ではなく何か1枚持って行きましょう。

レイヤリングからはちょっと外れますが、レインウェアと同じく、登山靴は優先して用意すべきアイテムのひとつです。 初心者向けのなだらかな低山であれば、運動靴やスニーカーでも行けることはいけますが、グリップがきかず滑りやすい、柔らかすぎて疲れやすい、雨やぬかるみに弱い、といった不安があります。登山道は舗装道路とは違いますので、足元を安定させてくれる滑りにくい登山靴で歩く方がだんぜん楽で安心です。

季節別のおすすめレイヤリング

出典:写真AC

最後に、 初心者向けの日帰り登山を前提として、 実際に登山に行くときのレイヤリングについて季節別に解説します。レインウェアは季節や天候を問わず、必ずザックに準備しておきましょう。

春&秋

・ベース・・・・長袖や少し厚みのあるシャツ。または薄手の長袖の上に半袖Tシャツの重ね着。

・ミッド・・・・薄手フリースまたは薄手ダウンをザックに用意し、休憩で着る。

・アウター・・・登り始めに寒ければ体が温まるまで羽織って、暑くなったら脱ぐ。

・ズボン・・・・ストレッチ性のあるロングパンツまたはショートパンツ&タイツ。

・小物・・・・・手先が冷たい時のために薄手の手袋。

・ベース・・・・半袖あるいは長袖の吸湿速乾性に優れたTシャツ。

・ミッド・・・・吸湿速乾性のある長袖シャツを休憩や肌寒い時に羽織る。標高が高い山の場合は薄手のフリースの方が安心。低山の場合はミッドレイヤーなしで、レインウェアですべて代用することもある。

・アウター・・・登り始めに寒ければ体が温まるまで羽織って、暑くなったら脱ぐ。

・ズボン・・・・ストレッチ性のあるロングパンツまたはショートパンツ&タイツ。

・小物・・・・・紫外線対策に帽子。ケガ・日焼け防止のために薄手の手袋。

冬(雪がない低山の場合)

・ベース・・・・吸湿速乾性に優れた肌着二枚重ねや、保温性の高いウール製の肌着。その上に冬用の長袖Tシャツ。

・ミッド・・・・ダウンジャケットかフリースを着用し、暑くなったら脱ぐ。

・アウター・・・登り始めに寒ければ体が温まるまで羽織って、暑くなったら脱ぐ。

・ズボン・・・・ストレッチ性のあるロングパンツ。寒い場合は下にタイツまたは上からレインウェアのズボンを着用。

・小物・・・・・保温性のあるネックウォーマー、手袋、帽子。暑くなったら取る。

登山用の服がないから山に行けない、ということはありません。登山初心者は私服を代用しつつ、まずはお手軽な山に実際に行ってみるのが大事です。レイヤリングをしっかり意識して、ベースには吸湿速乾性のある服を選び、レインウェアは必ず持って行きましょう。そして山での発見や体験をふまえて、好みのアイテムをそろえていってください。